ぼくが 2014 年に聴いたり観たり出たり手伝ったりした演奏会まとめ

昨年もまとめましたが、今年もまとめます。

今年は『イベントごとにエントリをひとつ』という記録の付け方をひそかに目標にしていました。

というわけで、だばだばと列挙していきます。

ここまでで半年。クラシックギターを中心に、ロック、吹奏楽、ボサノヴァなどに触れた日々でした。

続いて後半です。

あいかわらず中心はクラシックギターでした。人生の中で諸事情により吹奏楽成分が増えてきていますが、ほかにもオーケストラ、ビッグバンドなどなど、いろいろです。

Rubinetto が本格的に演奏活動を始めたのも、7 月以降でしたね。ぼくのギターの中心はどうしたって新日本ギターアンサンブルなので、自分の “看板” というかアイデンティティは主にそれではありますが、Rubinetto は Rubinetto で息の長い団体にしたい、という思いが強くあります。

いろいろな音を聴く、ということは、自分の音を磨くうえで絶対に必要なことだと思っています。

身近な目標、自分にとっての “理想の音” を探すこと。おおいに妄想して、脳内で “理想の音” が鳴らせるようになること。さらにその脳内の “理想の音” を磨きあげていくこと。いろいろな音を聴いて、いろいろな弾き方をみて、きれい、きたない、かっこいい、かっこわるい、そういう自分の中に湧く素直な感想をだいじにして、自分にとっての “理想の音” を高めていくこと。

ここ何年も、ずっとそういうことを続けています。

意識しよう、うたおう、よくいわれるこういう指摘は、”脳内で理想状態を思い浮かべて” と、”その理想状態をなぞるように弾く” という、ただそれだけの、ほんとうにただそれだけのことなのです。だからこそ、”理想状態” そのものを高めることが、成果に直結するわけです。

顔文字がウザい(書きながら自分でそう思った)けれど、以上、一年半くらい前のツイートをお送りしました。

https://twitter.com/kaerukumaen/status/545598302368960512
https://twitter.com/kaerukumaen/status/545599976001134592
https://twitter.com/kaerukumaen/status/545602229734875137
https://twitter.com/kaerukumaen/status/545603307230613505

偉大なる先達のコトバを引用して終わりにします。

そんなわけで、全部で 35 回の演奏会に聴いたり観たり出たり手伝ったりした一年でした。前年比で 10 回増しです。

来年…… は、動きが鈍りそうな気はしますが、引き続きいろいろなところに顔を出していきたいところです。

ギタークリスマスコンサート 2014

新日本ギターアンサンブルの毎年恒例のイベント、ギタークリスマスコンサート。今年は 12 月 20 日の和光大学ポプリホール鶴川での回と、12 月 23 日の白寿ホールでの回の、全二回。

たのしかった。

一年前、去年のこのコンサートのエントリ ではこんな大げさなことを書いたけれど、

ようやく、ギター人生で初めて “納得のいく” 演奏会になったなあと

ぼくはこう弾けばいいのかと、こういう音をつくればよいのかと、これがぼくのスタイルなのかと、そういう納得感

今年は上で言う “ぼくのスタイル” をじっくりことこと煮込んだ一年だった、気がする。

去年はステージ上で突然舞い降りた爆発的なインスピレーション(?)のおかげで、流れの中を興奮して泳いでいたらいつの間にか終わっていた、みたいな感じもあったけれど。今年は自分の特性と自分の音を一年かけて咀嚼して煮込めて吸収できたので、去年と比較するとだいぶ落ち着いて冷静に臨めていた感があり。

反省すべきところもいろいろあったけれど、反省するということは別にしゅんとしてごめんなさいして縮こまっていることではなくて。過去を省みて問題とその対策を考えて、未来の自分の行動にがんがん活かしていくこと、ただそれだけ。

そんなわけで、反省点もあるし、目標もあるし、めざすべきひとも居るし、じわじわと登っていけている実感もあるし、相変わらず脳内には完璧な自分が居るし、解決したい課題もある。

よい状態、だと思うわけで。来年の演奏会めがけて、地道に進んでいこうと思う。

岡上分館のカフェコンサートに出たよ(動画もあるよ!)

10 月 11 日、土曜日。第 3 回岡上分館カフェコンサートというイベントに、Rubinetto として出演してきました。会場は岡上分館、体育室です。

演奏のようすをまるっと YouTube にアップロードしたので、せっかくだしそれぞれ説明をいれつつ全曲を紹介してしまうことにします。

演奏した曲

おすすめ順に紹介したいので、まずは三曲目に演奏した『さんぽみち』から。

メンバのひとりである Haracem のオリジナル曲。もともとはアコースティックギターソロ用の曲で、Rubinetto の編成に合わせて編曲してくれたのがこれです。

さんぽをするときのいつもとちょっとだけ違うとくべつな期待感とか冒険心とか、そんな空気にあふれていて、さんぽってたのしいよねって思える、よい曲です。弾いているとテンションがばくはつします。

編曲によって中間部のソロとか転調とかいろいろな要素が加わって、原曲からひとまわりもふたまわりも物語性というか表情がゆたかになった印象です。たのしいです。

次は、最後に演奏した、押尾コータローさんの『翼 ~you are the HERO~』。

押尾コータローさんを知るひとであれば誰もが弾いてみたくなるであろう名曲。これも Haracem の編曲で、原曲を知っているとよい意味でいろいろと裏切られる展開、たのしいです。

残りの二曲は、Rubinetto が結成して最初に練習に取り組んだ曲です。葉加瀬太郎さんの『Born to Smile』と、ソノダバンドさんの『道草のススメ』。

どちらもメンバがいちばん弾きなれている曲で、Rubinetto として最初にひとまえで演奏したとき の曲目もこの二曲でした。

そんな四曲。

いまのところ、この四曲が Rubinetto の持ち曲のすべてです。

岡上分館というところ

小田急線の鶴川駅から徒歩圏にある、麻生市民館の分館です。

Rubinetto という団体ができて、練習場所をどこか借りようとなったときに、初めて存在を知りました。

白状すると最初にここを選んだ理由は “値段” だったのですが、いまではすっかり愛着がわいています。感覚は “母校” のそれに近いですね。

まわりには何も無くて、すぐ横に畑がひろがるようなふるぼけた地域ですが、人工的な騒音のないのんびりとした空気のなか、雨の日は水の音、晴れの日は鳥の声、夕方は虫の音にかこまれてゆったりと練習できるのも、今ではなかなか貴重な気もします。いつかここで、動画を撮りたい。

『道草のススメ』とか『さんぽみち』を演奏している最中に、ふと外の鳥や蝉の声に耳を向けて、ああ、いいなあと、そう思えるのも、岡上分館のよいところだと思っています。

カフェコンサートというイベント

主催は岡上分館ですが、『平成 26 年度麻生市民館岡上分館市民エンパワーメント研修 みんなでつくるカフェコンサート』というプログラムのもとに集まったみなさまで運営されている…… ようです。コンサートの企画や運営を、実際に『カフェコンサート』をつくることを通じて学ぶ、ようなものだと思います。

そういう背景なので、いつぞやの練習後にスタッフさんからカフェコンサートの存在を知らされて、出演しないかと声を掛けていただいたことがきっかけで今回のこのような演奏な場が実現したわけですが、ほんとうにありがたい限りです。

こういう手作りの演奏会、ぼくはとてもだいすきで。

下はちびっこから上はぼくの父よりも上と思われる方々まで、はばひろい層の方々が、朝からたのしそうに会場を設営したり飾り付けをしたりしている様子をみていると、音楽の理想的なかたちってこういうのかもしれないなあと、なんていうか、しあわせな気分になります。

出演は Rubinetto をふくめてぜんぶで五団体で、Rubinetto 以外のみなさまも岡上分館を練習場所に活動しているようでした。

個人的なことをいえば、高校時代の部活の同期のお母さまやら多摩高校合唱部の OB さんたちやら、いろいろとつながりのある方々が他団体として出演しておられたことも、このコンサートをすきになった理由のひとつです。

Rubinetto という団体

レパートリィがようやく四曲になって、なんとか 20 分の枠ならもたせられるようにはなってきました。さらに持ち曲を増やすべく、これから新曲にも取り組むつもりです。単独の演奏会の開催を目指しています。

ギター部を卒業したみなさま、部活時代とは少し違った、こういうカジュアルなギターを楽しみたいみなさま、ぜひいっしょに弾きましょう。

うれしいことに、このコンサートがきっかけで、すでにひとり、某中学校ギター部の OB さんが新規加入の意思を表明してくれています。

まずは見学にどうぞ。うまいへたなんて、どうでもよいことです。たのしいことは正義なのです。

つぎの練習は 10 月 26 日の日曜日、朝 9 時から、場所はこの岡上分館 です。興味があるかた、ついった でも メール でもご連絡ください。

さいごに

岡上分館のみなさま、運営スタッフのみなさま、共演した他団体のみなさま、そして雑な呼びかけにも関わらずご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

ギター部 OB のみなさま、見学のご連絡お待ちしています 😛

ちょーたのしかったです 🙂 また出たいので、またぜひ!

新しいギター演奏団体、Rubinetto ができました

ひとことでいうと、メンバ募集中です。Rubinetto、ルビネットといいます。

RUBINETTO | クラシックギターなインストゥルメンタルバンド!

ギター部卒業しちゃって、もうすこしギター続けたいけど、どこの社会人団体もだいたいレベル高いしなー、あそこまでガチにやりたいってほどでもないんだけどなー、ちょうどいいところないなー。

とか、

ギター部卒業しちゃって、ほんとうはもう少しギター続けたかったけど、気軽にぴょろっと入れそうなところがなくて結局あきらめたんだよねー。

とか、そんなひとたちの集まりです。

そして同じことを思って同じようにギターを諦めた、あるいは諦めかけている、そんなひとたちをもっと集めて、いっしょにギターを弾こうとしています。

  • だから講師は居ません。ぜんぶ自分たちでつくります
  • 練習場所はそこらへんの公民館の会議室とかです
  • とくにコンクールに出る気はないです。でもただの演奏会はなるべくたくさんやりたいです
  • クラシック曲は弾きませんインストゥルメンタルばっかりです
  • ぶっちゃけ、下手でも楽しければいいじゃんって思ってます

そんな団体です。興味がある方はぜひ 中のひとのだれか にお声かけください。よくわからなければ お問い合わせページ からめーるくれればどうにかします。

近いうちに、以下のイベントがあります。参加自由なので、お気軽にどうぞ。

入るか入らないかは、見に来てから考えればよいのです。

できたてでレパートリィは少ないけれど、でもやっぱり、ギターはたのしいんだって、そう思いながらやっています。

ちかいうちに演奏の動画を YouTube あたりにぶん投げるつもりなので、それもお楽しみに!

全国学校ギター合奏コンクール 2014 で、ギター合奏のことを考えた

全国学校ギター合奏コンクール 2014。併催、第 25 回 JGA ギター音楽祭 Kyo-en in 東京 2014。

今年もこの日がやってきた。

8 月 25 日、ミューザ川崎シンフォニーホール。前身の全日本学生ギターコンクールを含めると、ぼくの人生で十二年目のこのコンクール。年にいちどの夏の楽しみになって久しい。

行ってきたというとお客さんのようだけれど、実のところだいたい毎年、裏方のひとりとしてぼくは舞台袖に居る。

袖では見えない風景も、袖では聴けない音楽も、袖では味わえない空気もあるけれど、袖でしか見えない風景も、袖でしか聴けない音楽も、袖でしか味わえない空気もある。

ぼくはそういうものがだいすきで、だからぼくはぼくがそこに居られることがすごくうれしい。

会釈するだけ、ほんのひとことふたこと言葉を交わすだけ、あわただしく動き回っているとどうしてもそれだけしかかなわないこともあるのだけれど、それでも出場するいろいろな学校に、友人知人が居る。自分が出場していたころ、あるいはまだぼくの世界が狭かったころ、どうしたって母校びいきで、いうなれば “多摩とそれ以外” というくくりでしか観られなかった世界も、今ではもうまるで違うもの。

“やりたいからやる” という、人類最強のモチベーションの表出であるところの、部活。

全国にちらばるたくさんのそれが、コンクールとコンサートという似ているようで四分の三くらい対極にあるふたつをそれぞれで繰り返すわけで、どうしたって創発的に進歩するはずだし進化するはずだし発展するはずだし発達するはずで。年々レベルが上がっているとよく言われるけれど、だからある意味でそんなことは当たり前で、逆にそうでなければこの世界に未来はない。

順位が決まって、賞が決まって、今年のコンクールはそれで終わる。どこが勝った、どこが負けた、うれしい、くやしい、いろいろあるし、友人たちがわんわん泣いているのを観て、ぼくだっていろいろ思うけれど。

この日、この学校がこういう演奏をした。その演奏は、この審査員の方々にこう評価された。その結果、こういう順位が付いた。それはもうひとつの事実で、あしたからのギター合奏は、その事実の上でしかできないし、その事実からしか生まれない。あしたのギター合奏は、あしたをいきるひとがつくるし、一年後のギター合奏は、一年後をいきるひとがつくる。

ぼくが出ていた頃と今年のこれとを近似直線で結んでみたところで、この先の百年二百年の予測が立てられるわけでもない。それでも未来は過去がないとつくれないから、この日は未来のギター合奏を作るためには必要不可欠な一日で、それを演奏者として作り上げた七百名はやっぱり偉大な方々なのだと思う。出場することでしか得られないものは、溜め息がでるほどに大きいし、目眩がするほどに大きい。いくら裏で動いていようと、それはぼくには得られない。

これから、この世界はどうなっていくのかしらと、どういう未来がくるのかしらと、少しばかりの不安とともに大きな期待を持ちながら。できればぼくは、この世界の未来の姿を、自分の目と耳で観て聴いていたいと思う。

出場されたみなさま、よい音楽とよい時間をありがとうございました。

ぜひ、それぞれの人生を。

某社の某イベントでビッグバンドと吹奏楽を聴いてきた

8 月 22 日、某社主催の某イベントに行ってよいことになったので行ってきた。会場は都内某所。行ったことそのものは記録しておきたいのだけれど、いろいろ配慮して伏せているあたり、お察しいただきたく。

会社を定時で飛び出して向かったこのイベント。イベントの性質上お子さまを連れた方々多かったけれど、おじいちゃんおばあちゃん世代も居て幅広い。いろいろな企画があったようなのだけれど、夜の音楽の部分だけ狙って参加。

さいしょに聴いたビッグバンドさんは総じておしゃれでオトナな雰囲気で、『じぶんたちの好きな曲』を選んできたようなプログラミング。

若干緊張していたのかなかなかジャジィな空気にもなりきれていなかった感があったけれど、時間が経つにつれてこなれてきて、三曲目(曲名わすれた……)ではサックスのソロのふわふわとした揺れがとても気持ちのよいカンジに。あれは好きだった。

お子さまが置いてきぼりになっている感もあったけれど、ジャズでお子さまの心をつかむのは難しそうだし、親世代向けという割り切りはそういう意味ではアリなんだろうなあと。ふだん単独で演奏会もしているようなので、いっかい行ってみようと思った。

一転して次の吹奏楽さんは、お子さまも完全に対象に含めてきた本気のプログラミング。吹奏楽の定番曲を入れながらも、季節モノ(夏の定番ポップスのメドレ)、流行モノ(ようかい体操第一)などをじゃんじゃん入れてきて、『会場のみんなもいっしょに踊ってみよう!』と攻めてくる。

演奏がうまいのはもちろんなのだけれど、お子さまたちがよろこんでうたっておどってはしゃいでいるのを見ると、うまいプログラムだなあと思わざるを得ない。選ぶ曲もそうなのだけれど、ようかい体操第一でお子さまをがっつり引きつけた状態で吹奏楽らしさ全開の宝島を持ってくるとか、そういう順番もよく考えられている。すごい。

最後は合唱団さんも混ざって、小学校の音楽の授業でやるような(この選び方もうまい!)合唱曲や流行の Let it go(お子さまも大合唱!)、ストレートに明るい曲(たのしい!)など何曲か披露して終わり。

曲の選び方はすごくだいじだなあと強烈に思った夜。たのしかった。

Roland の SC-88 をもらったので、21 世紀の今あらためて MIDI を聴く

SC-88 を友人からもらった。SC シリーズだと SC-88Pro っていう通称 “ハチプロ” が有名だけど、これはその 2 年前に発売された、88 系列の最初のモデル。

ミュージ郎の時代だ、ミュージ郎の。

今でこそ mp3 なんていう便利な PCM 音源が台頭しているけれど、インタネット聡明期のピーガガガ時代に、インタネットの “向こう側” からダウンロードできるほんの数十キロバイトの MIDI ファイルに、いったいどれだけのヒトがどれだけのユメをみたことか!!

スピーカをオンにしたままネットサーフィン(死語)をしていたら MIDI ファイルが自動再生されるページを踏んでしまって爆音にびっくりするとか、巧妙に埋め込まれた MIDI ファイルをどうにかダウンロードしようとソースコードから JavaScript まで追いかけるとか、そういう時代。

当時の JavaScript は、右クリックを禁止したりステータスバーにメッセージを流したりページを開くと『ようこそくろいさん! 11 回目の訪問です! 夕焼けがきれいな時間帯ですね!』って出てきたりページ遷移にきらびやかなエフェクトをつけたりマウスカーソルにオリジナルキャラクタが常にくっついてきたりクリックすると花火が上がったり、そういう技術だった気もする。

それはいいとして、とりあえずこの SC-88 を鳴らしてみたいので、セットアップ。

接続とリセットと初期設定

本体の [COMPUTER] スイッチを [MIDI] にして、使っているオーディオインタフェイスの MIDI 出力を SC-88 の [MIDI IN A] に MIDI ケーブルでつなぐ。

ヘッドホンで聴くだけでいいならこれで終わり。必要があれば RCA な [OUTPUT] をオーディオインタフェイスの入力に戻してやる。

電源を入れて、謎な設定が残っているかもしれないので、ファクトリリセットする。

  1. [SELECT] を押しながら [INSTRUMENT] の [←] と [→] を同時押し
  2. 確認が出るので [ALL] で承認
  3. 処理が終わったら電源を入れなおして完了

デフォルトでは SC-55 互換音色マップが有効になった。そういうものらしい。

MIDI 出力デバイスが選べるプレイヤならここまででひとまず音は出る。Windows の標準出力を変えたい場合は、Windows 7 なら Putzlowitschs Vista-MIDIMapper(声に出して読めない)などを突っ込んでよしなに設定してやる。

肝心の音はどうなの

Windows に昔からもともと入っている C:\Windows\Media\town.mid で比較。

最初に Windows 7 の標準の、Microsoft GS Wavetable Synth。

次に今回もらった SC-88。55 互換はオフで、88 ネイティブな状態。Muted Gtr が弱いけど全体的な雰囲気はこれが好き。

SC-88 で 55 互換を有効にするとこうなる。

実を言うと VSC3(Virtual Sound Canvas 3)のライセンスは持っているので、これでも鳴らすとこうなった。88Pro 互換モードに設定。SC-88 の 55 互換モードとよく似ている。VSC は x64 環境だと動いてくれないので普段使いには厳しい。VSTi 版は持っていない。

VSC あるならハードウェアいらないのではっていうのも理解はできるのだけれど、でも物理的なモノってやっぱり好きなのよね。

オマケで、TiMidity 版。SGM-V2.01 っていうサウンドフォントを丸ごと突っ込んである。

TiMidity、高校時代にカスタマイズにハマっていた記憶が。

SFC の AO 入学生向けの入学前レポートで、当時のぼくがネタとして取り上げてもいた。今みたら、

このように、それぞれの楽器ごとにサウンドフォントを割り当てることで、MIDI 再生時に TiMidity++ が該当するサウンドフォントを参照し発音する。サウンドフォントごとにバラバラである音量などのパラメータも、ユーザ側で任意に調整できるようにされており、この例のように音量(amp)、パン(pan)など、他にもピッチやオフセット等の調整用パラメータが用意されている。

とか、

インターネット上にあるサウンドフォントは玉石混合であり、納得のいく音色を持つサウンドフォントを探すのは非常に難しいことであるが、この玉石混合から『玉』を探し出すのがこのカスタマイズの醍醐味でもある。また、インターネットの一部ではユーザがカスタマイズした設定ファイルが公開されていることもあり、これを使用すれば比較的簡単に高音質再生環境を実現することが可能である。

とか書いてあった。なつかしい。

使い道

正直何も考えていないのだけれど、実家に MIDI キーボードを置いてきているのでそれを持ってくればいろいろ遊べそうだなーとか考えている。

既成の MIDI ファイルを綺麗に鳴らすためのハードウェアってわけではないので、本来の使い道としてはその方が正しいのだけれど。

吹奏楽祭 2014 マーチ&ポップス・イン・HIBIYA に行ってきた

またまた吹奏楽を聴きに。7 月 13 日、日比谷公会堂。

同じ日に洗足音楽大学のクラシックギターコースの演奏会もあって、そちらも魅力的ではあったのだけれど、残念ながらハシゴはかなわず。

のんびりめに家を出たら、東京隆生吹奏楽団さんの演奏中に到着。

着いていきなり観たこの方々がいきなりレベル高くてテンションうなぎのぼり。フルートのソリストさんの身体のつかいかたがイケイケでかっこうよかった。

音楽的情動に素直に従った派手な身体の動きってぼくはすごく好きで、意図的な演出では絶対に表現できない域だし、聴き手の動物的原始的本能的な芯に突き刺さる魅力があると思っている。

社会人と大学生が中心のようで、年齢層は高くない。だからこそよい意味で『脂ののった若手』って感じで、習熟度とか積極性とか柔軟性とか冒険心とか余裕とか体力とかいちばんオイシイころあいで、いちばん音楽を自由に好き放題にアツくできる年齢がこのあたりだよなあと、そんなことを思った。

つづく潤徳女子高等学校さんの演奏は、スマートで隙のない仕上がり。逆にいうとあまり遊びはなくて、演出で表現しようとしていたポップさと演奏とのギャップがちょっと大きくなってしまっていた印象。

舞台前列に並んだ演出担当の方々で演奏者が隠れてしまって、並んで踊っている方々のために BGM を演奏していますよ、みたいな空気に見えてしまったのもすこし残念だった。そして並んで踊っている方々、一曲まるまる楽器を触れないようだったけれど、あれって本人たちはそれでいいのかしら……? 吹奏楽界の文化をよく知らないから、あれもふつうのことなのかもしれないけれど。

最後の東京都職場吹奏楽連盟合同バンドさん。この日のために集まった、東京都内のさまざまな会社の吹奏楽団の有志の方々だそうで。総勢 60 名ほどだとか。

ブルーインパルス、とにかく難しそう……! ほんの数回の練習でここまで持ってくるのは個々人のレベルの高さがあってこそだなあとは思ったけど、それでもまだ “こなせていない” 感じが否めなかった。シンコペーションのもたもた感とか速いスケールのぐらつきとか、全体的に力業で合わせにいっている印象。でもかっこうよい曲でたのしい。

民謡は和太鼓がイイ味を出していた。日本の民謡を西洋の楽器と様式で演奏するのって、よくよく考えるとふしぎだけれど、やってみるとけっこう合うのよね。民謡の勢いと吹奏楽の破裂音は相性がよい。

これとこの次の二曲は、聴いていてたのしかった。とくに最後のアフリカンシンフォニー、すっと耳に入ってきてきもちよかった。演奏するほうも演奏に慣れていそうで、手放しにふわふわと聴いていられる感覚。余裕って大事。

吹奏楽のコンクールにもやっぱり行ってみたくなった。とくに社会人団体のをみてみたい。きっとすごいひとたちがたくさんいる。

宿河原のいつものお店、ポトスのオープンマイクに参加してきた

7 月 6 日、水曜日。

宿河原のいつものお店ことポトス ((ぼくが愛してやまない母校こと多摩高校の最寄り駅、宿河原駅の改札を出てすぐの洋食屋さんのこと。平和でおいしいごはんやさんであると同時に、地元のアー ティストのみなさまがよくライブ会場としてつかう場所でもある。ぼくもよく食べに行くし、ギター部の現役さんも OB 勢も重奏やら独奏やらで何度かお世話になっているところ))さんのオープンマイクの日 ((ポトスで月に数回行われる、いろいろな団体(もちろん個人でもよい)が八つくらい集まって、一団体 15 分くらいの枠でパフォーマンスを披露できる日のこと。音楽のひとが多いけれど、それに限らず、朗読とか、お笑いとか、なんでもありの自由な時間))、所属するバンド(?)の Rubinetto ((そのうち紹介できると思うので割愛するけど、簡単に言うと、アルトギターふたつとアコースティックギターひとつとアルトチェンバロギターひとつとバスギターひとつとベースウクレレひとつを使った、結成してまだ半年も経っていないインストゥルメンタルバンド)) として枠をひとつもらって、二曲だけ演奏してきた。

ギターを始めて 12 年目、これまでいろいろなステージに立ってきたつもりだけれど、どれもお客さんはぼくらのギターの音を聴く前提で来ている方々ばかりだった。演奏者とお客さんの間でそういう前提が共有されていると、弾くほうも弾きやすいし、聴くほうも聴きやすい。どちらにとってもよいことだけど、悪くいえば箱庭的温室的内輪感から抜けにくくなっている要因でもあった。

そんな中で今回、お客さんとしてぼくらの前に座っている数十名の方々のほとんどは、ぼくらが今日ここで演奏することを、ぼくらが弾き出すその瞬間まで知らなかった方々なわけで。何のネームバリュもない知名度ゼロの状態のぼくらが、いってしまえばたまたま同じ時間に同じ空間に居ただけの、わかりやすくいうと別にぼくらの音を聴きにきたわけではないお客さんを前に弾く。

これはぼくにとっては未体験の感覚で、なるほどこういう状態で弾くと弾く方も聴く方もこうなるのかと、ものすごく新鮮だった。個人的なミスはてんこもりだったので反省は大きいけれど、やっぱりひとの前で弾くことはどういう形態であれいろいろ見えて糧になるもので。こういうところでも闘えるようにならないといけない。

たった二曲だけだったけれど、たのしかった。お世辞にもギターの生音に音響的に向いているとは言えないハコではあるけれど、気張らずに演奏できる場所が近くにあることはすごく貴重だし、観客との距離が近くて生々しい反応がもらえるのはうれしいしたのしいしきもちがよい。

他の出演者の方ともいろいろお話もできたし、知らない曲を紹介してもらえたし、知らない世界も観られたし、ライドシンバルを菜箸で操る謎のおじさんとフルートのおねえさんともセッションもできて、盛りだくさんだった。

地元の方々に愛される空間は居心地がよい。今度は単独でなにかできたらいいなあと、そんなことを思った。

虹晴れギターアンサンブルコンサートに行ってきた

UnisOno さん主催の、虹晴れギターアンサンブルコンサート。友人知人がぞろぞろと出演するので行ってきた。7 月 6 日、相模女子大学グリーンホールの多目的ホールにて。

出演団体は全部で四つで、アンサンブルレインボーさん、ギターアンサンブルピュルテさん、ギターアンサンブル木の響さん、そして主催の UnisOno さん。どこもこの近辺を中心に活動を続けている団体で、ピュルテさんは結成して 19 年、レインボーさんはもう 28 年だそうで。みなさん歴史がある。

どの団体も、団体ごとの嗜好と対象とする聴衆の違いがひじょうに色濃く出た曲目。

個人的な好みを白状すると、ギターアンサンブルでのポップスってどうあがいてもポップにはなれない気がしていて、実は弾くのも聴くのもだいぶ苦手な分野。とはいえ結局はどこも各々が活動するフィールドに合わせた選曲なわけで、そこでぼくの好み云々を言ってもどうしようもないし、まあたまにはそういう演奏会もあるよね。

……と思うくらいにはポップスが多いプログラムの中で、クラシック主体で曲を並べてきた UnisOno さんには、だからちょっと期待していたのだけれど、これはこれで何とも、何とも……。

指揮者が居なくてもこの人数とこの曲目を空中分解させないで最後まで流せるのはこの方々のつよいところではあるとは思うものの、そうはいってもこの人数とこの曲目でこれ以上の演奏を目指すならやっぱり指揮(またはそれと同等の柱になりうるコンサートマスタかコンサートミストレス)はいないとつらいのではと。

こんみすさんに音を集めようとはしていたようだけれど、その所為で表現にエネルギィを使えていない印象で、高校生のように若さと活力にみちあふれているわけでもなく、かといって OB らしいオトナな上品さにみちているわけでもなく、できあがりはどっちつかずなぼんやりとした音楽。

そんな中でもガリレオさんの曲は、弾き手のテンションも高かったし、勢いに乗って音もうまく合ってきていたので群を抜いて聴きやすかった。他の曲もこうなればたのしいのになあと。惜しいところ。

先日のロビィコンサートのときはそこまで違和感はなかったし気軽に聴けていたので、いっそのことあのくらいのカジュアルさを前面に出してくれたほうがぼくには魅力的にうつる。もっとも、あのときは指揮がいたから、その影響もあるのかもしれないけれど。

団体として何を理想としてどういうモチベーションで活動しているのか、ちょっと気になった演奏だった。あの団体もいろいろな演奏会に出るようになって、結成当初より露出は圧倒的に増えているわけだし、変化は折にふれて追っていきたい。

そんな感じでもやもやしながら帰った。ひとのふりみてなんとやらとも、よくいったものだなあと思いつつ。