スーツのズボンに穴をあけたので修理してもらった

ちょっとしたトラブルでわりと派手に穴をあけた。左のおしりのところ。

左のおしりのところ

穴の左右もツレちゃってる

ぱかっ

ズボッといったよねズボンだけに。ごめんなさいなんでもないです。

そんなわけでどうしようもないので修理に出した。二年前のモデルなので、もう同じのを新しく買うってのができなかったのです。

で、多少跡は残るかもとあらかじめ言われてはいたけど、仕上がりをみたら覚悟していたほどの残り方ではなくて、おおむね満足な仕上がり。

遠目に見ればわからないくらい

じろじろ見るとばれる

じろじろ見られるとバレるけど、普通に着ている分にはわからなさげ。

修理代は 17,000 円ほど。かけはぎで、面積に応じてお値段は上がっていくとのこと。納期は二週間くらいだった。

ちなみにこのズボン自体は 20,000 円くらいで買ったもの。見積もりの値段みてちょっと迷ったけど、まあいいかなって。

部活の古い録音、レガシィな記録媒体のお話

高校のころ所属していた部活 の古い録音の山が、講師の先生のところに眠っているらしい。何年も前にそんな話を聴いてから、いつか全部きちんとデジタル化して後世に残していきたいなあとながいこと思っていたのだけれど、最近ようやくこれに着手した。

部活の公式 Web ページの中の “ギタサン史” によれば、ぼくらのルーツは 1972 年の秋に発足した同好会。今が 2013 年だから、もう 41 年を数えることになる。ぼくの生まれが 1987 年だから、それよりもずっと前。

40 年を越える歴史があるというのに、さて、ぼくらが “過去の演奏” を聴こうと思ったときに聴けるのは、せいぜいここ 10 年分くらい。最近の部員の中では比較的長くぎたさんに関わっていると思われるぼくでさえ、手元にきちんとした形で持っているのは 2001 年度以降のデータだけ。

世の中に録音が存在しないなら別だけど、物理的に残っているのであれば、それが聴けなくなる前に、聴ける状態にしておきたかった。

経年劣化は避けられない。はやくどうにかしないといけない、このまま何もしないでいたら、ぼくらは膨大な何かを失うことになると、そういうぼんやりとした危機感があった。

残っている記録媒体は、たいがいは何らかのテープ。危機感の根源は、テープの寿命ではなく、テープを再生する機械の寿命である。

テープは強い。コンパクトカセットだろうが DAT だろうが miniDV だろうが Hi8 だろうが VHS だろうが VHS-C だろうが beta だろうが、とにかくテープは強い。信じられないくらいに強い。耐久性でいえば CD-R や DVD-R や HDD よりも何倍も何十倍も強い。今までの数十年も平気で品質を保ってきたし、多分この先の数十年も同じように品質を保ってくれるはず。

だから別に今やらなくてもいいのではないかと思わないこともないのだけど、現実的にはたぶん、テープより先にそのテープを再生できる機械がなくなる。かつて一世を風靡したカセットデッキも、もはやまともな新品は TEAC のくらいしか手に入らない。DAT デッキなんてもうどこも作っていない。

今あるデッキだっていつかは壊れるし、ガタがくるとテープが入ったまま取り出せなくなるとか中で絡まるとか切れるとか、そんなことも起こりうる。そんな現実をよそに、メーカの保守パーツの保管期限もどんどん切れてくるから、オーバホールはおろか修理さえも年々難しくなってくる。

だからやっぱり、今、できるひとがやっておかなければいけない気がする。

第一に、テープの中のデータを保全すること。第二に、保全したデータをリマスタリングして再利用性を高めること。第三以降は、考えていない。

何年かかるかわからない。まずは音から。そのあとは映像。終わったら部活ではない別の団体の分。なんせ 500 本ちかくある。先は長い。いまは 50 本くらい終わったところ。

そんなわけで、最近はレガシィな記録媒体と仲良く暮らしている。ぼくが生まれる前に記録されたメタルテープ ((コンパクトカセットは磁性体の違いでノーマルとハイポジション(クロム)とフェリクロムとメタルがあって、メタルがいちばん音がよい。家電量販店で今でもたまにコンパクトカセットを見るけど、もう劣悪なノーマルしか置いていない)) が想像をはるかに上回る音のよさでびっくりしたりとか、180 分の DAT をデッキに入れるときにちょっと緊張したり ((180 分の DAT はほかの時間のよりもテープそのものが薄いので、デッキの中で絡まったり切れたりしやすい)) とか、そんな毎日。

しかしこういうことをやっていると、五十年後にこのデータは誰がどう管理しているんだろうなあとか、そもそも五十年後って部活どうなってるのかなあとか、高校っていうシステムがその時まで残っているのかなあとか、いろいろ考えてしまいますね。

はてさて 75 歳のぼくは何を思うのでしょう。そもそも生きているかもわからない。

裁断業者さんに本の裁断を頼んだら実質 1 冊 118 円だった話

電子書籍系エントリの続き。

自分で裁断するのはたいへんそうだったから “時間と手間はカネで買え” を合言葉に裁断代行業者さんに本を送ったら、たいへんよい品質で満足できた、というお話。

まとめると、

  • 今回は カットブックプロ さんに頼んだ
  • 99 冊裁断してもらったら、送料等含めて 1 冊あたり 118 円だった
  • きれいに裁断されていた。でも 20 冊に 1 冊くらいはページ同士がくっついてる子がまぎれてた
  • ある程度のまとまった冊数を裁断したいなら業者さんは大いに活用するべき

という感じでした。

業者さんを選ぶ

今回は カットブックプロ さんにした。”裁断代行” でぐぐったらいちばん上だったし、GW 中でも対応しているっぽいことが理由。値段でいえば 裁断ブックマート さんのほうが安そうだったんだけど、GW 中は休みっていうから、多少高くても対応が早いほうがいいなあということで。

注文する

料金表 をみると、”文庫・コミック” と “全種類” とで二種類ある様子。今回は雑誌も大型本もハードカバーもいろいろあったので全種類のほう。

今回は 99 冊 ((前のエントリでは 130 冊って書いたけど、数え間違えてた……)) の裁断をお願いする。100 冊パックを注文して箱を分ければよいのかとも思ったんだけど、FAQ をみたら “50 冊パックで 2 箱になった” に対して “冊数分に合ったパックに変更させてもらう” っていう感じで書いてあった ((“パック変更か送料安い方かに変更させてもらう” って記述もあってどっちか迷った(同じ Q が二個あるのはイケてないよね)んだけど、モメるのも嫌だからまあ分けておくか、くらいの判断)) ので、箱詰めのことを考えて、

  • 20 冊 + 30 冊 + 50 冊

で注文した。

トップページのお知らせを見たら “新生活応援キャンペーン” とやらでクーポンコードが書いてあったのでこれも使う。3,000 円以上で使えるってことだったので、20 冊 + 30 冊の注文と 50 冊の注文を分けて、それぞれでクーポンコードを使った。全部で 300 円引き。われながらせこい。

注文したら振り込む。インタネットで振り込めば家から出ないで済む。楽。

箱詰めして送る

適当な段ボール箱に詰める。気をつけたいことは以下。

  • 往復に耐えられそうな強度のにする(送った箱でそのまま返送されてくる)
  • ひと箱の三辺の合計が 160 cm 以下にする(集荷してもらえない)
  • ひと箱で 30 kg 以下にする(集荷してもらえない。できれば 25 kg にした方が安いらしい)
  • 注文したパック単位で箱詰めする(今回は先述の注文だったので 20 冊 + 30 冊 + 49 冊で詰めた)

詰めたら郵便局にゆうパックの集荷以来を出して、取りに来てもらって、往路分の送料を払う(復路分はパック料金に含まれる)。持ち込みのほうが安いらしいけど、重いから運ぶのたいへんだし、家から出たくないし、来てもらうに限る。

ちなみに本のソフトカバー、着けたままでもよい(業者さん側でちゃんと外して裁断したあと一緒に返送してくれる)らしいけどなんとなく外しておいた ((後の手間を減らすためにカバーだけでも先にスキャンしておく作戦)) 。附録の CD 類も抜いておいた。

戻ってくるまで

一日目の夕方に注文、振込。夜に集荷。

二日目の朝、入金を確認した旨の連絡。

三日目の朝、本が届いて裁断作業に入る旨の連絡。夕方には裁断が終了して発送した旨の連絡が入った。予想以上に早い。

四日目の昼、裁断済みの本が届いた。

全体的に早かった。

できあがり具合

箱を開けると、数十冊ごとにポリ袋でくるまれて、隙間には新聞紙が詰められた状態。

裁断面はすごくきれい。

一冊ごとに輪ゴムでまとめられている。輪ゴム自体のかかりは弱いから、うっかり山を崩すとたいへんなことになりそうな気はした。丁寧に扱えば問題なし。

垂直にきれいに裁断されているので、基本的にはそのままスキャナに放り込める。基本的にはって書いたのは 20 冊に 1 冊くらいはページ同士がくっついてる子がまぎれてたからで、だからスキャナに放り込む前に念のため分離の確認はした方がよさそう。

糊の付き方なんて本によって全然違うし、この値段で完璧な分離まで求めるのは酷な気がする。20 冊に 1 冊くらいなら許容範囲内だと思う。

かかったお金

こんな感じ。往路分の送料含めて、総額で 11,720 円。99 冊だから、1 冊あたり 118 円。

摘要 金額 備考
注文 1 4,435 円 20 冊 + 30 冊パック、割引適用後
注文 2 3,635 円 50 冊パック、割引適用後
送料 3,650 円 3 箱分、往路分。復路分はパック料金に含まれる
合計 11,720 円 1 冊あたり 118 円

おわりに

1 冊あたり約 120 円というのを高いとみるか安いとみるかはひとそれぞれだろうけど、個人的にはこの値段なら気軽にできてすごくよいと思った。

自分でカッタでやるというのは論外だし、裁断機(40,000 円くらい)を買うなら単純計算で 340 冊くらい切らないと元が取れないし。

340 冊ってすぐじゃんって思うけど、裁断厚が 18 mm までっていうから大型本はつらい(今回送ったのはほとんど 20 mm 以上だと思う)し、そうでなくたって 340 冊も自分が手を動かしてやるっていうのは根本的にすごく手間だし。

注文や箱詰めの作業分 “だけ” の手間と時間でこの品質の裁断結果が買えるなら、充分アリ。

文庫とコミックだけならもっと安いし、もっと大きな単位のパックで注文できればさらに安くできるし。1 冊だけ裁断したい、みたいなときは小回り利かないけど、ある程度冊数があるなら業者さんに頼んでしまうのがぼくの判断基準ではいちばんいいと思った。

関連エントリ

進撃の書体、オープニングを真似るためのフォントの話

はじめに

アニメ『進撃の巨人』のオープニングのパロディが動画サイトでいろいろと出回っている。

で、そういう動画を観ると、途中の『進む意思を嗤う豚よ』以降のところ、作者さんごとに思い思いの書体で再現されておられる。じゃあせっかくなんだし、なるべくオリジナルに忠実にしたらどうなるんだろう、ということで調べた。

まとめると、

  • 使われている書体はダイナフォントの『DF 華康明朝体 W5』と『DF 極太明朝体』の二種類
  • 前半は装飾なし、後半はシャドウやら光彩やらの装飾がある

という感じ。

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長瀞に行ってきた

大学生ふたりに写真を撮りに行こうと誘われたので行ってきた。

ふたりは一眼レフ持ちで、何ミリのレンズがどうのこうのときゃっきゃしてる系の方々なので、一緒にいくのがミラーレス一眼と付属キットのレンズしか持っていないぼくでよいのかしら感はあったのだけれど。でも行ってよかった、楽しかった。

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TLX-TAB7S にぴったりなケースを手に入れた(ただしカメラは死ぬ)

前の『TLX-TAB7S を買って電子書籍生活を始めた』の続き。

前のエントリではこんなことを書いた。

ケースと覗き見防止シートが欲しいんだけど、選択肢は、

  1. ボタンや端子やカメラが埋まるのは諦めて、汎用品や Nexus 7 用のを使う
  2. うまい位置に穴があいているケースを探す
  3. ケースなしで過ごす

というあたりですね。スマートフォンは諸々の事情でケース無しで使う派だけど、このサイズのタブレットだとケースが欲しいから 3 は無いなあ。

そんな状態でヨドバシカメラに行ったら、ブライトンネットさんの BM-NE7FLSTD/BK っていうちょうどよいのがあった。

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TLX-TAB7S を買って電子書籍生活を始めた

前の『ScanSnap iX500 を買って自炊生活を始めた』の続きというか関連。

自炊するならその電子データを読める端末が欲しいよね、ということで買ったのが TruLuX さんの TLX-TAB7S

いきなりまとめると、

  • 価格もサイズも解像度も Google の Nexus 7 の対抗馬っぽい位置づけ
  • microSD カードスロットがあってうれしい
  • SIM カードは入らない
  • 専用アクセサリが全然発売されていなくて困る

な、感じ。ちなみに Nexus 7 は持っていないので公称値やらほかのひとのレビュー記事やらを参考に書いています。

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ScanSnap iX500 を買って自炊生活を始めた

はじめに

本職が IT 屋さんだからといって何でもかんでもデジタルが好きなわけではなくて、もともとぼくは “本を物理的にこわすのは抵抗がある” という立場のひとだった。まわりのひとからシートフィードスキャナを買ったという報告を聴いても、ああ買ったのそうなの、本こわしちゃうのね、というくらいにしか思えなかったくらい。だから積極的に自炊関連の情報を漁ることもなかった。

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多摩高校

いよいよ建て替え工事がはじまったらしい。

そろそろはじまるとながいこと言われては来たものの、その気配もうかがえないまま数年。今まで校庭として使われていたところ──いつか校庭ではなくなるところ──に、やっと資材が置かれて、組み立てられて、そんなところからようやく進行中と聴く。

そんな中、友人が、すてきな本をつくった。

友人の校内のスケッチとともに綴られる、塚原先生の二十六篇のエッセイ。消えゆく校舎のひとつの遺し方。変化を前向きに受け入れることで新しく生まれる価値もある。

2003 年、ぼくが多摩高校の 48 期生として入学してから、この四月で十年がたつ。いまでも数月に一度は高校に行っているから、姿を消しつつある母校をいまさら眺めたところで語るほどの懐かしさも感じないのだけれど、それでも少しばかりの寂しさはおぼえる。

トイレが外にしかないような、21 世紀にもなって信じがたい環境、それでもよい校舎だったよねと、古い友人に会うたびに語られる学び舎。

でも校舎への評価なんてものは、結局はそのまま自分の高校生活への評価だ。よい校舎だと今思えているのは当時その校舎で生活するのが楽しかったからで、だから友人が感慨深げによい校舎だったなあと語るのを聴くと、ああこのひとも高校生活が楽しかったんだなあと、他人のことながらうれしくなるものである。

『多摩高校』というある種のシステムを形成する要素のうち、『校舎』のしめる割合はどのくらいのものだろう。いまのあそこから校舎 “だけ” が新しくなったとして、それ以外がどう変わるのか。勉強するだけなら校舎なんてどうでもよさそうだけど、知恵とか知識とかそんなくだらないものの伝達よりも “生き方” をつくる方が大事だと思っているので、その意味ではインフラストラクチャの更改はじんわりとした影響もたくさんあるだろうなあと。

ながく続くものが必ずしも最良かといえばぜんぜんそんなことはなくて、もっとよいものはたくさんあるはずなんだけど、そうかといって新しくしたら必ずもっとよくなるとも限らない。風邪をひいて薬を飲まされて、それでその薬が効いたかと聴かれても、飲んでいない場合と比較できないからわからないと、残念ながらそう答えるしかないのが現実。

何十年もあと、あたらしい “校舎” を通じて思い出を語る彼らの顔が、さいこうに幸せそうで楽しそうだといいなあと、ぼんやりと思いつつ。

ページの中でゆるやかに描かれる高校にふれて、ようやくぼくも卒業できる気がした。

追記(2013/03/12 00:00)

エントリ公開後、本の画を担当した友人からこんな連絡をいただいた。

ポートフォリオとして携わった作品をまとめているようで。高校当時からぼくとはぜんぜんちがう目で世界を見ているなあという感覚はあったのだけれど、こうやって実際に制作物をみると本当にそう思う。そんなわけで、興味あればこちらもどうぞ。