岡上分館のカフェコンサートに出たよ(動画もあるよ!)

10 月 11 日、土曜日。第 3 回岡上分館カフェコンサートというイベントに、Rubinetto として出演してきました。会場は岡上分館、体育室です。

演奏のようすをまるっと YouTube にアップロードしたので、せっかくだしそれぞれ説明をいれつつ全曲を紹介してしまうことにします。

演奏した曲

おすすめ順に紹介したいので、まずは三曲目に演奏した『さんぽみち』から。

メンバのひとりである Haracem のオリジナル曲。もともとはアコースティックギターソロ用の曲で、Rubinetto の編成に合わせて編曲してくれたのがこれです。

さんぽをするときのいつもとちょっとだけ違うとくべつな期待感とか冒険心とか、そんな空気にあふれていて、さんぽってたのしいよねって思える、よい曲です。弾いているとテンションがばくはつします。

編曲によって中間部のソロとか転調とかいろいろな要素が加わって、原曲からひとまわりもふたまわりも物語性というか表情がゆたかになった印象です。たのしいです。

次は、最後に演奏した、押尾コータローさんの『翼 ~you are the HERO~』。

押尾コータローさんを知るひとであれば誰もが弾いてみたくなるであろう名曲。これも Haracem の編曲で、原曲を知っているとよい意味でいろいろと裏切られる展開、たのしいです。

残りの二曲は、Rubinetto が結成して最初に練習に取り組んだ曲です。葉加瀬太郎さんの『Born to Smile』と、ソノダバンドさんの『道草のススメ』。

どちらもメンバがいちばん弾きなれている曲で、Rubinetto として最初にひとまえで演奏したとき の曲目もこの二曲でした。

そんな四曲。

いまのところ、この四曲が Rubinetto の持ち曲のすべてです。

岡上分館というところ

小田急線の鶴川駅から徒歩圏にある、麻生市民館の分館です。

Rubinetto という団体ができて、練習場所をどこか借りようとなったときに、初めて存在を知りました。

白状すると最初にここを選んだ理由は “値段” だったのですが、いまではすっかり愛着がわいています。感覚は “母校” のそれに近いですね。

まわりには何も無くて、すぐ横に畑がひろがるようなふるぼけた地域ですが、人工的な騒音のないのんびりとした空気のなか、雨の日は水の音、晴れの日は鳥の声、夕方は虫の音にかこまれてゆったりと練習できるのも、今ではなかなか貴重な気もします。いつかここで、動画を撮りたい。

『道草のススメ』とか『さんぽみち』を演奏している最中に、ふと外の鳥や蝉の声に耳を向けて、ああ、いいなあと、そう思えるのも、岡上分館のよいところだと思っています。

カフェコンサートというイベント

主催は岡上分館ですが、『平成 26 年度麻生市民館岡上分館市民エンパワーメント研修 みんなでつくるカフェコンサート』というプログラムのもとに集まったみなさまで運営されている…… ようです。コンサートの企画や運営を、実際に『カフェコンサート』をつくることを通じて学ぶ、ようなものだと思います。

そういう背景なので、いつぞやの練習後にスタッフさんからカフェコンサートの存在を知らされて、出演しないかと声を掛けていただいたことがきっかけで今回のこのような演奏な場が実現したわけですが、ほんとうにありがたい限りです。

こういう手作りの演奏会、ぼくはとてもだいすきで。

下はちびっこから上はぼくの父よりも上と思われる方々まで、はばひろい層の方々が、朝からたのしそうに会場を設営したり飾り付けをしたりしている様子をみていると、音楽の理想的なかたちってこういうのかもしれないなあと、なんていうか、しあわせな気分になります。

出演は Rubinetto をふくめてぜんぶで五団体で、Rubinetto 以外のみなさまも岡上分館を練習場所に活動しているようでした。

個人的なことをいえば、高校時代の部活の同期のお母さまやら多摩高校合唱部の OB さんたちやら、いろいろとつながりのある方々が他団体として出演しておられたことも、このコンサートをすきになった理由のひとつです。

Rubinetto という団体

レパートリィがようやく四曲になって、なんとか 20 分の枠ならもたせられるようにはなってきました。さらに持ち曲を増やすべく、これから新曲にも取り組むつもりです。単独の演奏会の開催を目指しています。

ギター部を卒業したみなさま、部活時代とは少し違った、こういうカジュアルなギターを楽しみたいみなさま、ぜひいっしょに弾きましょう。

うれしいことに、このコンサートがきっかけで、すでにひとり、某中学校ギター部の OB さんが新規加入の意思を表明してくれています。

まずは見学にどうぞ。うまいへたなんて、どうでもよいことです。たのしいことは正義なのです。

つぎの練習は 10 月 26 日の日曜日、朝 9 時から、場所はこの岡上分館 です。興味があるかた、ついった でも メール でもご連絡ください。

さいごに

岡上分館のみなさま、運営スタッフのみなさま、共演した他団体のみなさま、そして雑な呼びかけにも関わらずご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

ギター部 OB のみなさま、見学のご連絡お待ちしています 😛

ちょーたのしかったです 🙂 また出たいので、またぜひ!

宿河原のいつものお店、ポトスのライブに参加してきた

たのしかった! です!

前回 はオープンマイクだったけれど、今回はしっかりとしたライブでした。9 月 28 日、日曜日。

Rubinetto としてひとまえで演奏するのはこれで二回目。前回は持ち曲が二曲しかなかったけれど、ようやく四曲までレパートリィが増えまして。

いやはや、たのしいものですね。

頭を空っぽにして、むずかしいことはなにも考えないで、完全にノリだけでぎゃんぎゃんに弾く。

という弾き方ができる団体であり曲であるので、わりとストレートに手放しでおもいきりたのしめたのでした。

きれいなホールで芳醇なひびきに身をゆだねるのもたまらなくだいすきだけれど、こういう、”コンサート” というより “ライブ” って感じの空気も、これはこれでだいすきで。

なんていうか、ああぼくはいまギターを弾いているんだなあ、みたいな気になれる。すばらしい。

ぎゃんっぎゃんに弾いているぼくらの演奏が聴いてみたいみなさま、10 月 11 日に鶴川駅近くの岡上分館で会いましょう。詳細はこちらから。

カフェコンサート@岡上分館 | RUBINETTO

むしろいっしょに弾いてみたいとおもったみなさま、ぜひ入りましょう。たのしいです。ご連絡お待ちしています。

メンバ募集中! | RUBINETTO

ポトスのみなさま、ほかの出演者のみなさま、ありがとうございました。

またぜひ。

相模原中等教育学校の文化祭で、クラシックギター部の演奏を聴いてきた

今年も行ってきた。9 月 22 日の日曜日、相模原中等教育学校の文化祭、蒼碧祭の文化部門。

ただの視聴覚室だから音楽用の場所ではないのだけれど、それなりに防音がしっかりしていて外の騒音がかなり抑えられているので、”文化祭” らしからぬ音響で聴けるのはこの会場のよさのひとつ。

平たくいうと、やっぱりうまいなあ、ってかんじ。ステージにもかなり慣れていて安心感がある。

ギター合奏歴二年から五年のひとたちの集まりだし、そりゃあ当然感覚も育つだろって話ではあるのだけれど、それにしたって中高一貫の強みがうまく出ている気がする。年齢差が大きくなるのはもちろん弱みでもあるのだけれど、それを踏まえても組織としてのバランスはとてもよさそう。

ポピュラ音楽ってどうしても歌詞があってこそのものも多くて、でもギター合奏でやるなら歌詞は表現できないから、いかにメロディを歌詞から卒業させてひとり立ちさせられるかがおおきな課題。聴き手が歌詞を覚えているような有名な曲であれば『聴き手の脳内で勝手に歌詞が再生されることで補完されて曲として完成する』っていうこともなくはないのだけれど、それこそ個人差だから意図して狙うべきではないし。

つまるところ、ギター合奏でその曲を演奏する必然性をどう持たせるか、という話になるのだけれど。

やさしさに包まれたならとか、君をのせてとか、その辺のもうド定番で超有名なものは、いまさらそれを問いかけてどうするのってところまで枯れている感もあるので、細かいことは気にせずに好きにうたえばたぶんきれいにできあがるタイプの曲。

と思って聴いていたら、実際何の不安もなかったよね。こういうのをさくっと不安なくつくるあたり、基礎力の違いだよなあとも。悪くいえば、そもそもの選曲に目新しさはないし、できあがる演奏も予想通りでしかない、とも言えるのだけれど。

今回の曲目の中では Surge III の第三楽章がいちばん好きだった。うねりっぷりもだけれど、指揮者の H くん、お世辞抜きに観るたびにめきめき腕が上がっている感がすごい。ぐんぐん伸びるうえに来年も続投予定とのことで、これからも化けそう。楽しみ。

序奏とアレグロは、個人的には表情の変化を暑苦しいほどに愚直に音にしてぶちまけるような演奏が好きなので、ちょっと冷静すぎた気も。考えて弾くのもだいじだけれど、すべての表現が考え抜かれた計算尽くのものになってしまうと、それはそれでつまらない。もっとも、たぶん芳醇な響きがあってこその曲でもあるから、根本的に場所との相性がすこぶる悪そうというのもあったのだけれど。

あとはからあげを食べたり、たこやきを食べたり、わたあめに並んだり、写真館をみたり、文化祭らしく文化祭を楽しんだ。いろいろなひとにひさしぶりに会えたし、たくさんのひとに声をかけてもらえるのはうれしいものです。

そして恩師にもお会いできた。じつは文化祭に来た目的の半分はこっち。

もともと多摩高校で教えていた先生。相模原中等教育学校で教鞭を執りはじめて六年目。

ぼくの人生でほんとうに数少ない、”尊敬” という表現を遣うことを微塵も厭わない先生、”恩師” と表現することに一切の躊躇をしない先生のひとり。高校当時、話した時間はそう多くはないのだけれど、その短い時間でだってぼくの生き方が刺激を受けるには充分すぎるほどで。

卒業して以来の再会で、会えば話題はやっぱり学校のこと、教育のこと。学校は “生き方” を学ぶ場所だと、ぼくは教育についてはしろうとなのでそのくらいの感覚でしかものを言えないのだけれど。

あいかわらず哲学は健在で、絶望的なまでの頭のよさと回転の速さには到底追いつける気がしないなあと思いながらも、ひとときの会話を楽しんだ。

また会いに行こうと、そう思った。

多摩高校の文化祭で、ギターアンサンブル部の演奏を聴いてきた

もう何度目かわからないけれど、今年もぼくが愛してやまない母校こと多摩高校の文化祭へ、ぼくが愛してやまない部活ことギターアンサンブル部の演奏を聴きに行ってきた。

9 月 6 日、土曜日。

行ったのは一日目の第一回目の公演。例年通りほかの OB 勢といっしょに外の階段に居座る。

何度も言っているけれど、部活って『楽しいは正義』の最たる例で、活動内容よりも実は部活という活動形態そのものにものすごく価値があるものだと思っている。

入部したきっかけは “ギターであること” だったかもしれないけれど、あるときからギターが “部活を楽しむための手段のひとつ” になることは、たぶんよくあることなのだろう。時間を共に過ごす仲間がいることは、それほどまでに “部活” を魅力的にする。

部活は、だからどうしようもなく、よいものだと思う。だからぼくは好きだ。好きだったし、いまでも好きだ。

そんなことをぱやぱやと考えながら、全力で部活を楽しんでいる現役さんたちを眺めていた。外の階段は、部活が部活であることがよく見える位置でもある。

見えるけれど、音はあまり聴こえない。

もちろん少しは聴こえるし、廊下に首を突っ込めばもちろんもっと聴こえるけれど、でもなんていうか、全力で部活をしている現役さんを見ていたかった、ということもあって。

重奏のうち一団体、音がすばらしくよくでているところがあった。その場にいた三年生にパートリーダ重奏か何かかと聴いたら、『えっと…… つよいひとたちです、こんみすさんとか』という。よい表現だと思った。つよいひとたち。

それ以外の演奏は、そんなわけであまり聴けていない。それでも、Surge もパガニーニも、コンクールの演奏よりもぼくはすきだった。

力まずにスマートに弾くことが、この代にはよく似合う。”笑顔” と書かれた紙を掲げて、それでひとを笑顔にできるのは、つまりは彼の人望だ。

そんなこんなで、総じて部活っていいなあと思った、そんな土曜日だった。

坂戸高校の文化祭で、ギター部の演奏を聴いてきた

行ったことがない高校の文化祭に行くときのわくわく感、久しぶりだった。

8 月 31 日、日曜日。池袋から東武東上線にゆられること五十分(ちかい!)、埼玉県立坂戸高等学校の文化祭、やなぎ祭へ。ギター部の演奏を聴いてきた。

最近では NKG のコンクールでおなじみの坂戸高校ギター部さん。昔は JAEM のにも出ていたし、JGA のにも 2009 年に一度。”独立系” とでも言うか、勝手に親しみを持っていたこの方々。

ひとことでいうと、定期演奏会に行きたくなった。体育館では聴けない音が聴きたくなった。

マジカル☆プレリュードと、ARSNOVA 組曲の第一楽章が、全日本ギターコンクールに向けた二曲。これ以外は映画音楽かポップスというとても文化祭らしい選曲。

文化祭での演奏って、どこの学校でも音響条件はよくなくて、だから音を聴くというよりはどちらかといえば割り切って空気とか雰囲気とか学校そのものとか、音以外のところのを楽しみに行くようなもの。

今回も会場は体育館だったし、ぼくが立っていたのもうしろの方だったから、まともには聴こえないのを覚悟していたのだけれど、思っていた以上に “こなれていた” ので、これはぜひきちんとした演奏会でしっかりと音を聴きたいなあと、そう思った。

コンクール曲ではアルトギターもバスギターもギタロンも弦バスもでてきたけれど、大多数がプライムギターというめずらしい編成。パート分けも特殊そうで、コントラバスギターは見当たらない……?

それでも構成のアンバランスさをあまり感じなかったので、体育館ていう悪条件下であることも考えると、音を作る感覚は鋭そう。やっぱり体育館でないところで聴いてみたい。でもひとついうなら、しかたがないとは思いつつ、打楽器はちょっと大きすぎた……。

そして全体的におとなしいといえばおとなしい。空気も雰囲気も堅実で真面目な印象で、きれいなクラシック曲がよく似合いそうなのだけれど、それは逆に派手さや特徴めいたものを隠してしまうものでもあって。

ポップスや明るくて元気な曲を中心に並べるのであれば、はちゃめちゃにうたうとか、エネルギィを爆発させるとか、がつがつに欲のままに弾くとか、もうちょっとそんなテンションに近付けられたら生まれ変わりそうな気はした。

もうひとつ進行面、たとえば司会の礼とかメンバ紹介とか入り捌けとか、そういうところがとても厳格で統率のとれた礼儀正しい動きだったので、司会のしゃべりのテンションとのギャップあって、楽しげになった空気が細切れにされてしまう感があったのはちょっと残念。このあたり、司会のテンションを基準に時間の流れを作ってみると、風通しもよくなるかもしれない。好みの問題でもあるけれど。

しかし何を言ったところで、やっぱり体育館だっていうのが惜しい! 脳内で補完するにも限界があるし、やっぱりどこかのホールで静かに聴きたい……!

定期演奏会は五月のようなので、来年おじゃましたいところ。生音でのていねいな音作りは得意そうだし、JGA のコンクールにももういちど出てみてほしいなあとも思った。評価軸が違うコンクールが別にあるっていうのは、こういうときにおもしろい。

終わったあと、あまりこない地域なので周辺を散策。ゆったりのんびりとした風景で、視界の広さがうれしかった。

こういうところに学校があるのはうらやましい。晴れた夏の日に広い田んぼの横を自転車で駆ける姿は、ぼくがどこかで憧れているもの。

帰り道、ついでに川越市駅で途中下車。十年くらい前に川越高校古典ギター部さんの定期演奏会を観に来て以来。

ひとがとても多いなか、退色した写真のような町並みを眺めつつ、長いふ菓子を小脇に抱えて、帰路についた。

そんな遠足。たまにはよい。

新しいギター演奏団体、Rubinetto ができました

ひとことでいうと、メンバ募集中です。Rubinetto、ルビネットといいます。

RUBINETTO | クラシックギターなインストゥルメンタルバンド!

ギター部卒業しちゃって、もうすこしギター続けたいけど、どこの社会人団体もだいたいレベル高いしなー、あそこまでガチにやりたいってほどでもないんだけどなー、ちょうどいいところないなー。

とか、

ギター部卒業しちゃって、ほんとうはもう少しギター続けたかったけど、気軽にぴょろっと入れそうなところがなくて結局あきらめたんだよねー。

とか、そんなひとたちの集まりです。

そして同じことを思って同じようにギターを諦めた、あるいは諦めかけている、そんなひとたちをもっと集めて、いっしょにギターを弾こうとしています。

  • だから講師は居ません。ぜんぶ自分たちでつくります
  • 練習場所はそこらへんの公民館の会議室とかです
  • とくにコンクールに出る気はないです。でもただの演奏会はなるべくたくさんやりたいです
  • クラシック曲は弾きませんインストゥルメンタルばっかりです
  • ぶっちゃけ、下手でも楽しければいいじゃんって思ってます

そんな団体です。興味がある方はぜひ 中のひとのだれか にお声かけください。よくわからなければ お問い合わせページ からめーるくれればどうにかします。

近いうちに、以下のイベントがあります。参加自由なので、お気軽にどうぞ。

入るか入らないかは、見に来てから考えればよいのです。

できたてでレパートリィは少ないけれど、でもやっぱり、ギターはたのしいんだって、そう思いながらやっています。

ちかいうちに演奏の動画を YouTube あたりにぶん投げるつもりなので、それもお楽しみに!

全国学校ギター合奏コンクール 2014 で、ギター合奏のことを考えた

全国学校ギター合奏コンクール 2014。併催、第 25 回 JGA ギター音楽祭 Kyo-en in 東京 2014。

今年もこの日がやってきた。

8 月 25 日、ミューザ川崎シンフォニーホール。前身の全日本学生ギターコンクールを含めると、ぼくの人生で十二年目のこのコンクール。年にいちどの夏の楽しみになって久しい。

行ってきたというとお客さんのようだけれど、実のところだいたい毎年、裏方のひとりとしてぼくは舞台袖に居る。

袖では見えない風景も、袖では聴けない音楽も、袖では味わえない空気もあるけれど、袖でしか見えない風景も、袖でしか聴けない音楽も、袖でしか味わえない空気もある。

ぼくはそういうものがだいすきで、だからぼくはぼくがそこに居られることがすごくうれしい。

会釈するだけ、ほんのひとことふたこと言葉を交わすだけ、あわただしく動き回っているとどうしてもそれだけしかかなわないこともあるのだけれど、それでも出場するいろいろな学校に、友人知人が居る。自分が出場していたころ、あるいはまだぼくの世界が狭かったころ、どうしたって母校びいきで、いうなれば “多摩とそれ以外” というくくりでしか観られなかった世界も、今ではもうまるで違うもの。

“やりたいからやる” という、人類最強のモチベーションの表出であるところの、部活。

全国にちらばるたくさんのそれが、コンクールとコンサートという似ているようで四分の三くらい対極にあるふたつをそれぞれで繰り返すわけで、どうしたって創発的に進歩するはずだし進化するはずだし発展するはずだし発達するはずで。年々レベルが上がっているとよく言われるけれど、だからある意味でそんなことは当たり前で、逆にそうでなければこの世界に未来はない。

順位が決まって、賞が決まって、今年のコンクールはそれで終わる。どこが勝った、どこが負けた、うれしい、くやしい、いろいろあるし、友人たちがわんわん泣いているのを観て、ぼくだっていろいろ思うけれど。

この日、この学校がこういう演奏をした。その演奏は、この審査員の方々にこう評価された。その結果、こういう順位が付いた。それはもうひとつの事実で、あしたからのギター合奏は、その事実の上でしかできないし、その事実からしか生まれない。あしたのギター合奏は、あしたをいきるひとがつくるし、一年後のギター合奏は、一年後をいきるひとがつくる。

ぼくが出ていた頃と今年のこれとを近似直線で結んでみたところで、この先の百年二百年の予測が立てられるわけでもない。それでも未来は過去がないとつくれないから、この日は未来のギター合奏を作るためには必要不可欠な一日で、それを演奏者として作り上げた七百名はやっぱり偉大な方々なのだと思う。出場することでしか得られないものは、溜め息がでるほどに大きいし、目眩がするほどに大きい。いくら裏で動いていようと、それはぼくには得られない。

これから、この世界はどうなっていくのかしらと、どういう未来がくるのかしらと、少しばかりの不安とともに大きな期待を持ちながら。できればぼくは、この世界の未来の姿を、自分の目と耳で観て聴いていたいと思う。

出場されたみなさま、よい音楽とよい時間をありがとうございました。

ぜひ、それぞれの人生を。

某社の某イベントでビッグバンドと吹奏楽を聴いてきた

8 月 22 日、某社主催の某イベントに行ってよいことになったので行ってきた。会場は都内某所。行ったことそのものは記録しておきたいのだけれど、いろいろ配慮して伏せているあたり、お察しいただきたく。

会社を定時で飛び出して向かったこのイベント。イベントの性質上お子さまを連れた方々多かったけれど、おじいちゃんおばあちゃん世代も居て幅広い。いろいろな企画があったようなのだけれど、夜の音楽の部分だけ狙って参加。

さいしょに聴いたビッグバンドさんは総じておしゃれでオトナな雰囲気で、『じぶんたちの好きな曲』を選んできたようなプログラミング。

若干緊張していたのかなかなかジャジィな空気にもなりきれていなかった感があったけれど、時間が経つにつれてこなれてきて、三曲目(曲名わすれた……)ではサックスのソロのふわふわとした揺れがとても気持ちのよいカンジに。あれは好きだった。

お子さまが置いてきぼりになっている感もあったけれど、ジャズでお子さまの心をつかむのは難しそうだし、親世代向けという割り切りはそういう意味ではアリなんだろうなあと。ふだん単独で演奏会もしているようなので、いっかい行ってみようと思った。

一転して次の吹奏楽さんは、お子さまも完全に対象に含めてきた本気のプログラミング。吹奏楽の定番曲を入れながらも、季節モノ(夏の定番ポップスのメドレ)、流行モノ(ようかい体操第一)などをじゃんじゃん入れてきて、『会場のみんなもいっしょに踊ってみよう!』と攻めてくる。

演奏がうまいのはもちろんなのだけれど、お子さまたちがよろこんでうたっておどってはしゃいでいるのを見ると、うまいプログラムだなあと思わざるを得ない。選ぶ曲もそうなのだけれど、ようかい体操第一でお子さまをがっつり引きつけた状態で吹奏楽らしさ全開の宝島を持ってくるとか、そういう順番もよく考えられている。すごい。

最後は合唱団さんも混ざって、小学校の音楽の授業でやるような(この選び方もうまい!)合唱曲や流行の Let it go(お子さまも大合唱!)、ストレートに明るい曲(たのしい!)など何曲か披露して終わり。

曲の選び方はすごくだいじだなあと強烈に思った夜。たのしかった。

ギターサマーコンサート 2014 に行ってきた

8 月 18 日、月曜日。おしごとを午前中で切り上げて、途中から聴きに行ってきた。会場は相模女子大学グリーンホール。

全国学校ギター合奏コンクールに出場する団体のうち、神奈川県内で活動する方々が集うこの演奏会。毎年コンクールのすこし前に開催されて、幹事は各校で持ち回り。

後ろの三団体しか聴けなかったので、特定のどこかについての言及は控えるけれど、センパイの背中を見て育ったところ、自分たち独自の世界を作っているところ、学校ごとの違いもさることながら、同じ学校のなかでも要素によっていろいろな色が見えて、ああほんとうにもう一年経ったんだなあと。

聴くところによると、ぼくが聴けなかった前半組の演奏も目を見張るものがあったようで。

一週間後のライバル同士で、本番一週間前にして手の内を明かしあう、とても刺激的な場。だからあしたからの一週間が、成長曲線でいえばいちばん伸びる期間。

次の日曜日、ミューザの舞台が、とても楽しみ。ぼくも袖でうるうるしたい。

Roland の SC-88 をもらったので、21 世紀の今あらためて MIDI を聴く

SC-88 を友人からもらった。SC シリーズだと SC-88Pro っていう通称 “ハチプロ” が有名だけど、これはその 2 年前に発売された、88 系列の最初のモデル。

ミュージ郎の時代だ、ミュージ郎の。

今でこそ mp3 なんていう便利な PCM 音源が台頭しているけれど、インタネット聡明期のピーガガガ時代に、インタネットの “向こう側” からダウンロードできるほんの数十キロバイトの MIDI ファイルに、いったいどれだけのヒトがどれだけのユメをみたことか!!

スピーカをオンにしたままネットサーフィン(死語)をしていたら MIDI ファイルが自動再生されるページを踏んでしまって爆音にびっくりするとか、巧妙に埋め込まれた MIDI ファイルをどうにかダウンロードしようとソースコードから JavaScript まで追いかけるとか、そういう時代。

当時の JavaScript は、右クリックを禁止したりステータスバーにメッセージを流したりページを開くと『ようこそくろいさん! 11 回目の訪問です! 夕焼けがきれいな時間帯ですね!』って出てきたりページ遷移にきらびやかなエフェクトをつけたりマウスカーソルにオリジナルキャラクタが常にくっついてきたりクリックすると花火が上がったり、そういう技術だった気もする。

それはいいとして、とりあえずこの SC-88 を鳴らしてみたいので、セットアップ。

接続とリセットと初期設定

本体の [COMPUTER] スイッチを [MIDI] にして、使っているオーディオインタフェイスの MIDI 出力を SC-88 の [MIDI IN A] に MIDI ケーブルでつなぐ。

ヘッドホンで聴くだけでいいならこれで終わり。必要があれば RCA な [OUTPUT] をオーディオインタフェイスの入力に戻してやる。

電源を入れて、謎な設定が残っているかもしれないので、ファクトリリセットする。

  1. [SELECT] を押しながら [INSTRUMENT] の [←] と [→] を同時押し
  2. 確認が出るので [ALL] で承認
  3. 処理が終わったら電源を入れなおして完了

デフォルトでは SC-55 互換音色マップが有効になった。そういうものらしい。

MIDI 出力デバイスが選べるプレイヤならここまででひとまず音は出る。Windows の標準出力を変えたい場合は、Windows 7 なら Putzlowitschs Vista-MIDIMapper(声に出して読めない)などを突っ込んでよしなに設定してやる。

肝心の音はどうなの

Windows に昔からもともと入っている C:\Windows\Media\town.mid で比較。

最初に Windows 7 の標準の、Microsoft GS Wavetable Synth。

次に今回もらった SC-88。55 互換はオフで、88 ネイティブな状態。Muted Gtr が弱いけど全体的な雰囲気はこれが好き。

SC-88 で 55 互換を有効にするとこうなる。

実を言うと VSC3(Virtual Sound Canvas 3)のライセンスは持っているので、これでも鳴らすとこうなった。88Pro 互換モードに設定。SC-88 の 55 互換モードとよく似ている。VSC は x64 環境だと動いてくれないので普段使いには厳しい。VSTi 版は持っていない。

VSC あるならハードウェアいらないのではっていうのも理解はできるのだけれど、でも物理的なモノってやっぱり好きなのよね。

オマケで、TiMidity 版。SGM-V2.01 っていうサウンドフォントを丸ごと突っ込んである。

TiMidity、高校時代にカスタマイズにハマっていた記憶が。

SFC の AO 入学生向けの入学前レポートで、当時のぼくがネタとして取り上げてもいた。今みたら、

このように、それぞれの楽器ごとにサウンドフォントを割り当てることで、MIDI 再生時に TiMidity++ が該当するサウンドフォントを参照し発音する。サウンドフォントごとにバラバラである音量などのパラメータも、ユーザ側で任意に調整できるようにされており、この例のように音量(amp)、パン(pan)など、他にもピッチやオフセット等の調整用パラメータが用意されている。

とか、

インターネット上にあるサウンドフォントは玉石混合であり、納得のいく音色を持つサウンドフォントを探すのは非常に難しいことであるが、この玉石混合から『玉』を探し出すのがこのカスタマイズの醍醐味でもある。また、インターネットの一部ではユーザがカスタマイズした設定ファイルが公開されていることもあり、これを使用すれば比較的簡単に高音質再生環境を実現することが可能である。

とか書いてあった。なつかしい。

使い道

正直何も考えていないのだけれど、実家に MIDI キーボードを置いてきているのでそれを持ってくればいろいろ遊べそうだなーとか考えている。

既成の MIDI ファイルを綺麗に鳴らすためのハードウェアってわけではないので、本来の使い道としてはその方が正しいのだけれど。