ASUS Chromebook Flip C302CA を chrx で GalliumOS とのデュアルブートにする

Chromebook、便利ですね。ここ何年かずっと愛用しています。持ち歩く場合はだいたいこれです。

そしてこれを使っているときに、たまにさくっとした Linux 環境が欲しくなることがあり、その目的でこれまでは crouton で chroot した xubuntu が動くようにしていたのですが、ハードウェアの制御(特にグラフィック)まわりでどうも不都合なシーンがちらほら出てくるようになりました。

そんなわけで、とりあえず別のものを、ということで、chrx を使って GalliumOS をデュアルブートな感じで動かすことにしました。

前提

  • RW_LEGACY をカスタムの SeaBIOS で書き換え済み
  • デベロッパモードに変更済み

手順

インストールして初期設定をしていきます。

パーティション分割

Ctrl + Alt + Tcrosh を立ち上げて、シェルを起動します。

> shell

まずはパーティションを作ります。この辺も chrx におまかせです。以下を実行して、指示に従って数字を入力します。今回は 16 GB にしました。

$ cd ; curl -Os https://chrx.org/go && sh go

再起動しろと言われるので再起動すると、自動修復が始まります。左上のカウントが 00:00 になっても何も起きなくて怖いですが、そのまま気にせずに数分放置しておくと、勝手に起動してきます。

起動してきたら、ChromeOS が完全に初期化されている状態なので、初期設定をして、ネットワークにつなげます。

インストール

パーティションが切れたら、またシェルを起動して、GalliumOS をインストールします。

$ cd ; curl -Os https://chrx.org/go && sh go -d galliumos -H c302ca -U kuro -p steam -p chrome -p admin-misc -L ja_JP.UTF-8

引数で渡すオプションは、-h で出るヘルプを見ながら適当にします。-H が設定するホスト名、-U が作成するユーザ名です。

試した感じだと、タイムゾーン(-Z)の指定はうまく機能しなかったので、起動後に変更することにして、ここでは省きました。

で、数十分で完了するので、指示に従って再起動し、通常 Ctrl + D で起動するところで Ctrl + L して、GalliumOS を起動させ、ログインします。

ユーザ名は -U で指定したもので、初期パスワードはユーザ名と同一です。

日本語関連パッケージの導入

起動したら、言語周りを整えます。インストール時に -Lja_JP.UTF-8 を指定しても、日本語環境で必要なすべてのパッケージが導入されるわけではないようです。

で、Xfce のまま GUI から不足パッケージを突っ込もうとしたところ、固まって死んでしまいました。いちど multi-user.target に切り替えて作業するほうが良さそうです。

そんなわけで、ターミナルを起動して、

$ sudo systemctl isolate multi-user.target

して、画面左上でカーソルが点滅したら、Alt + F1F1ESC の右隣のキー)で仮想コンソールを切り替えてログインして、パッケージを入れて再起動します。

$ sudo apt update
$ sudo apt install $(check-language-support -l ja)
$ sudo reboot

日本語入力の設定

起動後、日本語入力ができるようにします。

  1. 左下のメニュ(Whisler Menu)の [設定] > [言語サポート] で、[キーボード入力に使う IM システム]fcitx になっていることを確認します
  2. 右下の通知エリアのキーボードアイコンの右クリックメニュから [設定] を開き、Mozc だけを残して、それ以外をすべて - ボタンで削除します

これで、

  • キーボードレイアウトが正しい
  • キーボード左上の [かな <-> 英数] キーで日本語入力と直接入力を切り替えられる

な状態になります。im-config とか fcitx-configtool でも設定できる気がします。たぶん。

パスワードの変更

キーボードレイアウトが正しくなったので、ターミナルで passwd してパスワードを変更します。

タイムゾーンの設定

UTC のままなので、JST にします。

  1. メニュの [設定] > [時刻と日付の設定] で、[Unlock] します
  2. [タイムゾーン]Asia/Tokyo にして、[Lock] します

timedatectl でも大丈夫です。反映は再起動後です。

オーディオの修正

GalliumOS の Hardware Compatibility でも記載されているとおり、C302(というか Skylake 系全般)は内蔵オーディオが正常に動作しないようです。実際、スピーカから何らかの音を再生させると、バキバキでひどい状態です。

USB や Bluetooth 接続のオーディオであれば正常に動作するようですが、GitHub の issue #379 で無理やりがんばる方法が出ていたのでそれをやっておきます。

Google Drive 上にアップロードされた以下をダウンロードして、

ターミナルでこれらを使ってごにょごにょします。

$ sudo dpkg -i linux-image-4.16.18-galliumos5-pre1_amd64.deb
$ sudo dpkg -x galliumos-skylake_3.0+dev3_supports_GaOS2.1_all.deb /
$ sudo skylake-audio-helper get-topology
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-CORE-COREBOOT-0-tplg.bin
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-COREv4-COREBOOT-0-tplg.bin
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-INTEL-SCRDMAX-0-tplg.bin
$ sudo skylake-audio-helper reset
$ sudo reboot

reset のときにスピーカがポンッてなるのでちょっとびっくりしました。再起動後は音声が正常に再生できます。

@kurokobo

くろいです。ギターアンサンブルやら音響やらがフィールドの IT やさんなアルトギター弾き。たまこう 48 期ぎたさん、SFC '07 おんぞう、新日本ギターアンサンブル、Rubinetto。今は野良気味。

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