Chromebook、便利ですね。ここ何年かずっと愛用しています。持ち歩く場合はだいたいこれです。
そしてこれを使っているときに、たまにさくっとした Linux 環境が欲しくなることがあり、その目的でこれまでは crouton で chroot した xubuntu が動くようにしていたのですが、ハードウェアの制御(特にグラフィック)まわりでどうも不都合なシーンがちらほら出てくるようになりました。
そんなわけで、とりあえず別のものを、ということで、chrx を使って GalliumOS をデュアルブートな感じで動かすことにしました。
前提
RW_LEGACY
をカスタムの SeaBIOS で書き換え済み- デベロッパモードに変更済み
手順
インストールして初期設定をしていきます。
パーティション分割
Ctrl + Alt + T
で crosh
を立ち上げて、シェルを起動します。
> shell
まずはパーティションを作ります。この辺も chrx におまかせです。以下を実行して、指示に従って数字を入力します。今回は 16 GB にしました。
$ cd ; curl -Os https://chrx.org/go && sh go
再起動しろと言われるので再起動すると、自動修復が始まります。左上のカウントが 00:00
になっても何も起きなくて怖いですが、そのまま気にせずに数分放置しておくと、勝手に起動してきます。
起動してきたら、ChromeOS が完全に初期化されている状態なので、初期設定をして、ネットワークにつなげます。
インストール
パーティションが切れたら、またシェルを起動して、GalliumOS をインストールします。
$ cd ; curl -Os https://chrx.org/go && sh go -d galliumos -H c302ca -U kuro -p steam -p chrome -p admin-misc -L ja_JP.UTF-8
引数で渡すオプションは、-h
で出るヘルプを見ながら適当にします。-H
が設定するホスト名、-U
が作成するユーザ名です。
試した感じだと、タイムゾーン(-Z
)の指定はうまく機能しなかったので、起動後に変更することにして、ここでは省きました。
で、数十分で完了するので、指示に従って再起動し、通常 Ctrl + D
で起動するところで Ctrl + L
して、GalliumOS を起動させ、ログインします。
ユーザ名は -U
で指定したもので、初期パスワードはユーザ名と同一です。
日本語関連パッケージの導入
起動したら、言語周りを整えます。インストール時に -L
で ja_JP.UTF-8
を指定しても、日本語環境で必要なすべてのパッケージが導入されるわけではないようです。
で、Xfce
のまま GUI から不足パッケージを突っ込もうとしたところ、固まって死んでしまいました。いちど multi-user.target
に切り替えて作業するほうが良さそうです。
そんなわけで、ターミナルを起動して、
$ sudo systemctl isolate multi-user.target
して、画面左上でカーソルが点滅したら、Alt + F1
(F1
は ESC
の右隣のキー)で仮想コンソールを切り替えてログインして、パッケージを入れて再起動します。
$ sudo apt update
$ sudo apt install $(check-language-support -l ja)
$ sudo reboot
日本語入力の設定
起動後、日本語入力ができるようにします。
- 左下のメニュ(Whisler Menu)の
[設定]
>[言語サポート]
で、[キーボード入力に使う IM システム]
がfcitx
になっていることを確認します - 右下の通知エリアのキーボードアイコンの右クリックメニュから
[設定]
を開き、Mozc
だけを残して、それ以外をすべて-
ボタンで削除します
これで、
- キーボードレイアウトが正しい
- キーボード左上の
[かな <-> 英数]
キーで日本語入力と直接入力を切り替えられる
な状態になります。im-config
とか fcitx-configtool
でも設定できる気がします。たぶん。
パスワードの変更
キーボードレイアウトが正しくなったので、ターミナルで passwd
してパスワードを変更します。
タイムゾーンの設定
UTC のままなので、JST にします。
- メニュの
[設定]
>[時刻と日付の設定]
で、[Unlock]
します [タイムゾーン]
をAsia/Tokyo
にして、[Lock]
します
timedatectl
でも大丈夫です。反映は再起動後です。
オーディオの修正
GalliumOS の Hardware Compatibility でも記載されているとおり、C302(というか Skylake 系全般)は内蔵オーディオが正常に動作しないようです。実際、スピーカから何らかの音を再生させると、バキバキでひどい状態です。
USB や Bluetooth 接続のオーディオであれば正常に動作するようですが、GitHub の issue #379 で無理やりがんばる方法が出ていたのでそれをやっておきます。
Google Drive 上にアップロードされた以下をダウンロードして、
linux-image-4.16.18-galliumos5-pre1_amd64.deb
galliumos-skylake_3.0+dev3_supports_GaOS2.1_all.deb
ターミナルでこれらを使ってごにょごにょします。
$ sudo dpkg -i linux-image-4.16.18-galliumos5-pre1_amd64.deb
$ sudo dpkg -x galliumos-skylake_3.0+dev3_supports_GaOS2.1_all.deb /
$ sudo skylake-audio-helper get-topology
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-CORE-COREBOOT-0-tplg.bin
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-COREv4-COREBOOT-0-tplg.bin
$ sudo rm /lib/firmware/9d70-INTEL-SCRDMAX-0-tplg.bin
$ sudo skylake-audio-helper reset
$ sudo reboot
reset
のときにスピーカがポンッてなるのでちょっとびっくりしました。再起動後は音声が正常に再生できます。