AWX に Active Directory で認証させて組織やチームと自動で紐づける

はじめに

本エントリでは、AWX のユーザ認証のバックエンドに Active Directory を LDAP サーバとして利用する場合の構成を取り上げます。

単にログインできるようにするだけではあまり工夫のしどころがないので、もう少し踏み込んだユースケースを想定して、Active Directory 側の グループ と AWX の 組織チーム とのマッピングも構成します。

AWX 側の ロール と組み合わせることで、Active Directory のグループに応じた、いわゆる RBAC を実現できます。

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Ansible で Active Directory に Organizational Unit(OU)を作る

community.windows コレクション の現時点で最新の 1.6.0 には、グループやユーザの管理の機能はありますが、それらが所属する Organizational Unit(OU)自体の管理の機能が含まれません。

Ansible で Active Directory の OU そのものの作成や変更・削除を行うには、PowerShell DSC の ActiveDirectoryDsc モジュール に含まれる ADOrganizationalUnit リソースansible.windows.win_dsc モジュールで呼び出すことで実現できます。

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Ansible Galaxy NG を Docker や Kubernetes で気軽に試す方法いろいろ

はじめに

前回前々回 のエントリでは、Ansible AWX 周辺の最近の機能として、Execution Environment や、さらにその周辺の Ansible Runner、Ansible Builder の OSS 版での動きを追いかけました。今回は、Private Automation Hub のアップストリーム版である Ansible Galaxy NG の周辺を見ていきます。

が、現時点でサポートされている構成はホスト OS への直接のインストールのみで、開発用には Docker Compose ベースの手順もあるものの、いずれにせよ総じて取り回しが少々不自由です。そんなわけで本エントリでは、現時点で気軽に Galaxy NG を試せる方法 として、次の 3 パタンでの実装手順 と、簡単な動作確認 を取り扱います。

なお、いずれも Galaxy NG のドキュメントには記載がない 方法であり、当然ながら 正式にサポートされる手順ではない 点は注意が必要です。このエントリは 実験レポート程度 に捉え、検証や勉強やテスト など 試用を目的としたユースケースに限定 して遊ぶとよいでしょう。

  • Docker で全部入りコンテナを使うパタン
    • おそらくもっとも手軽な Galaxy NG の入手方法
    • すべてが一つに詰め込まれた既成コンテナイメージを動かすだけ
  • Kubernetes で全部入りコンテナを使うパタン
    • 前述の Docker パタンを愚直に Kubernetes 上に移植したもの
    • プラットフォームを Kubernetes に揃えたいならいちばん気軽
  • Kubernetes で Pulp Operator を使うパタン
    • おそらく将来的に正式な Kubernetes 上へのデプロイ方法になる気がしているパタン
    • マイクロサービス化されてスケールもできる状態できちんとしたモノができあがる
    • まだまだ開発途上の様子(動かせはする)

とはいえ、自製の Collection の表示のテスト など特定用途ではなかなか便利そうです。最初の Docker パタンなら、慣れれば 10 秒で完成 します。

今回も、必要なファイルは GitHub に置いています

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Ansible AWX で Execution Environment と Container Group を作って使う

はじめに

前回のエントリ “Ansible Runner と Ansible Builder で Execution Environment を作って使う” では、AWX で Execution Environment を使うための前段として、Ansible Runner と Ansible Builder の動作を確認しました。

このエントリでは、その続きとして、作成した Execution Environment を実際に AWX から利用する流れを確認します。また、Container Group を作成して、Pod の構成をカスタマイズします。

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Ansible Runner と Ansible Builder で Execution Environment を作って使う

はじめに

Ansible Automation Platform 2.0 がアーリーアクセスで提供されはじめ、次期メジャリリースの情報が出てきました。

目立つところでは、Ansible Tower が Ansible Automation Controller に改名されていますが、アーキテクチャ面でも、制御プレーンと実行プレーンを疎結合にするために Execution Environment(EE)の概念が新たに登場しています。

従来、プレイブックに応じて Python のモジュールや Collection を使い分けたい場合、典型的には Python の仮想環境を用いた環境の分離を行っていました。Execution Environment(EE)は、平たくいえばこれを コンテナに置き換えるもの であり、Ansible のランタイムをコンテナ化したもの と言えそうです。必ずしも Tower(AWX)と組み合わせなくても使えますが、Tower(AWX)目線でも、本体のインスタンスと実行環境が分離されるので、スケールもしやすくなりそうです。

本エントリでは、AWX での Execution Environment(EE)の動きを確かめるための準備として、Ansible RunnerAnsible Builder の動作を確認します。次のエントリ では、本エントリで作成した自前の Execution Environment(EE)を実際に AWX から利用します。

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AWX Operator による AWX のバックアップとリストア

はじめに

前回のエントリ では、AWX をほどほどの使用感でシングルノード K3s 上にホストする方法を紹介しました。

この中では、バックアップとリストアのごく簡易的な例として、PV の実体をフルバックアップする考え方や pg_dump での運用を紹介しましたが、エントリ中でも記述していた通り、AWX の 0.10.0 からは、組み込みで バックアップリストア の機能が追加されています。

本エントリでは、この AWX Operator によるバックアップとリストアを実践します。

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AWX を AWX Operator でシングルノード K3s にホストする

やりたかったこと

AWX の 18.0 から、インストールには AWX Operator の利用、すなわち Kubernetes や OpenShift 上へのデプロイが推奨されるようになりました。それ以前のバージョンでは Docker Compose ベースのデプロイも選択肢として用意されていましたが、現在では(開発やテスト目的を除いて)非推奨になっています。

とはいえ、気軽に使いたいだけ、シングルノードの可用性で充分、などの軽めのユースケースに対しては、すでに Kubernetes を使っている環境でない限り、AWX のためだけに Kubernetes 環境を作る(そして運用していく)のも少々大袈裟で大変です。かといって、公式のインストール手順 で気軽に試せる手段として紹介されている minikube は、プロダクション用途が想定されていない開発や学習用のツールのため、AWX をもう一歩踏み込んで日常的に使っていきたい場合には、逆に少し心許ないところがあります。

そんなわけで、ふたつの選択肢の間でほどよく使えるように、

  • シングルノード
  • 外部からもアクセス できて
  • データも永続化 できて
  • それなりに手堅く 使っていける

感じのを、K3s で作ることにしました。

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