はじめに
本職が IT 屋さんだからといって何でもかんでもデジタルが好きなわけではなくて、もともとぼくは “本を物理的にこわすのは抵抗がある” という立場のひとだった。まわりのひとからシートフィードスキャナを買ったという報告を聴いても、ああ買ったのそうなの、本こわしちゃうのね、というくらいにしか思えなかったくらい。だから積極的に自炊関連の情報を漁ることもなかった。
でも部屋を片付けていて、
- いざというときにとにかく “読めれば” いいだけ
- 自分にとってはただの “情報源” だ
- 思い出程度に見た目が残っていればいい
という書類やら本やらがけっこうあることに気がつく。例えば、
- 古い研修資料
- 資格試験の勉強の本
- 古い手書きのノート
- いつか復習するかもしれない勉学の本
- 古い雑誌
などなど。
要するに、”物理的な所有にこだわりがないもの” ってけっこうあるんだなあということで、なるほどこういうものをスキャンしてしまえばよいのかと、そして物理的なモノは捨ててすっきりしてしまえばよいのかと、自炊という言葉が一般化して長いこと経った今になってようやく納得がいった。これまでは “大事な蔵書をバラすなんて嫌だ” という感覚が捨てきれないでいたのだけど、”大事な蔵書しか家にないわけではない” というだけのことだった。
購入まで
いちど納得してしまえば話は早い。自分の持っている本や紙束を眺めて、以下のふたつに脳内で分類してみて、ああ 2 がすごく多いなあとわかったら、あとはぽちるだけ。
- 物理的に持っておきたいもの
- 1. 以外のもの
モノをどれにするかは少し考えたけど、最初の一台だから、ド定番であることと Web 上の情報も多いこと、そして競合メーカの中では一番最近に発売された最新機種ということで、PFU さんの ScanSnap iX500 を選択。
到着して設定してスキャンするまで
設定をどうするかは悩ましかったけど、富豪的思考で決めた。
HDD はいくらでもあるからできあがりのファイルサイズは気にしない。なるべく綺麗にスキャンしてマスタデータとして保管しておけば、貧民的処理(サイズを減らしてモバイル端末のスペックでも閲覧しやすくするとか)は、あとからでもどうにでもなる。
問題はむしろ物理的なほうで、裁断機がないこと。ひとまず使ってみてから考えよう的な思想でスキャナだけをぽちったので、製本されたのをスキャンするならカッタでせこせこやらないといけない。
まあでもさしあたってスキャンしてしまいたいのは本よりも紙束だったし、スキャンしたい本はリング製本(海外のってなぜか多いよね)が多くて裁断しなくてもほぐせたし、ちょっとカッタで切るのも体験してみたいよね、という感じで、まずは平積みにすると 80 cm にもなろうかという山をやっつけることに。
使ってみて
ちょう便利。
80 cm の山をさくっとやっつけるころには、”いつか見るかもしれないからちょっと場所とるけどとっておこう” だった思考が “いつか見るかもしれないけど場所とるからスキャンして捨てよう” に完全にシフト。
そうするといよいよ製本された技術書やら参考書やら雑誌やらを処分したくなって、ためしに仕分けをすると 130 冊近くになった。ここで考えられる選択肢はこんな感じ。
- カッタで 130 冊がんばる(追加出費なし。膨大な時間と労力が必要)
- 裁断機を買って 130 冊がんばる(金銭負荷が大きい代わりに将来的な追加出費は抑えられる。そこそこの時間と労力が必要)
- 裁断業者さんに 130 冊送る(一冊 100 円未満くらいのコストでお手軽な代わりに、言うなれば従量課金。労力いらず)
合言葉は “時間と手間はカネで買え” である。3 に決定。だって手作業つかれるんだもん。そもそもこれは “バラすまで” の話で、このあとにスキャンする作業が等しく待っているわけだし。
というわけで、裁断を申し込んで振り込んで、箱詰めして集荷をお願いして引き取ってもらったところまでが今日。戻ってきたらまたエントリ書きたい。
これからの話
大量の PDF ファイルができてくるわけだけど、じゃあ何か閲覧しやすいデバイスも欲しいよね、ということで、TruLuX さんの TLX-TAB7S を追加でぽちったところ。とくにこだわりはなかったんだけど、それなりの解像度で軽くて内蔵以外の記録媒体が使えて(この子は microSD カード)、あんまり高くないもの、という選び方。
あとは富豪的思考で取込んだ大きな PDF ファイルをいかにダイエットさせるかというのも考えないといけない。この辺はタブレット端末が届いて実際に使ってみてから試行錯誤するところかなあと。他の端末向けの情報はぐぐるといろいろ出てくるから、いろいろやってみる。この辺もエントリ書きたい。