10 月 22 日、水曜日。会場は銀座のヤマハホール。会社はもちろん早退。
衝撃的なすばらしさ。これはギターである。まぎれもなくギターである。ぼくなんかには正しくその価値を理解できないのではという感覚に陥る。そしてたぶんそれは事実。
いろいろなギターの音を聴いてきたつもりではあったけれど、こんなにダイナミックレンジのひろい楽器だったっけと、こんなにいろいろな音の出る楽器だったっけと。ぼくの知っているギターとは何だったのかと。
いまさらそう思った。今まで聴いたことがない音だった。強烈に見せつけられたし、魅せつけられた。
踊るような指遣い、めまぐるしくかわる音の表情、圧倒的な没入感、最後の一音の崇高な響き。
陳腐な言葉ををいくら並べたところでどうにもあの音楽を形容できるものではないのだけれど。
気持ちがよすぎた。音色に酔うし音楽に酔う。さいこうだった。
よい音だった。ほんとうによい音だった。
練習しよう。まずは絶望するところから。