アルヴァロ・ピエッリさんのギターリサイタルに行ってきた

10 月 22 日、水曜日。会場は銀座のヤマハホール。会社はもちろん早退。

衝撃的なすばらしさ。これはギターである。まぎれもなくギターである。ぼくなんかには正しくその価値を理解できないのではという感覚に陥る。そしてたぶんそれは事実。

いろいろなギターの音を聴いてきたつもりではあったけれど、こんなにダイナミックレンジのひろい楽器だったっけと、こんなにいろいろな音の出る楽器だったっけと。ぼくの知っているギターとは何だったのかと。

いまさらそう思った。今まで聴いたことがない音だった。強烈に見せつけられたし、魅せつけられた。

踊るような指遣い、めまぐるしくかわる音の表情、圧倒的な没入感、最後の一音の崇高な響き。

陳腐な言葉ををいくら並べたところでどうにもあの音楽を形容できるものではないのだけれど。

気持ちがよすぎた。音色に酔うし音楽に酔う。さいこうだった。

よい音だった。ほんとうによい音だった。

練習しよう。まずは絶望するところから。

宮川彬良のせたがや音楽研究所 #2 に行ってきた

『宮川彬良の』まで含めて公演の正式なタイトルの一部なだけで、決して呼び捨てにしているわけではない。

10 月 19 日の日曜日、会場はせたがやパブリックシアター。某試験の日だったので、最初の 45 分くらいは遅刻して観られていない。

出演は宮川さんを『所長』として、『特別研究員』に池田理代子さん、『研究員』に INSPi のみなさま。

ベートーヴェンの交響曲第五番と交響曲第九番を題材として、音源を聴きながらそれを宮川さん流の解釈で解説(体裁はあくまで “研究”)していく、みたいな内容。音源は生演奏ではなくて CD だった。惜しい。

音楽を解釈すること自体をエンタテインメントとして仕立てあげた、という印象で、NHK の教育番組の公開収録を観ているかのような感覚。ところどころでベートーヴェンにまつわる研究員さんたちの会話や INSPi さんのライブパフォーマンスが入る。『日立の樹』はさすがに歌い慣れているようでばっちりのたのしい音楽っぷりだった。

最後はこの日のために練習を重ねた一般区民(特別研究員)さんたちを含めた全研究員の合唱 “歓喜の歌” でしめ。

出演者のみなさん、音楽家でありながらも、それ以上にエンタテイナなんだなあと。

解釈に是非はあるかもしれないけれど、そもそもそういえば音楽の解釈って自由でよいんだなあと、そう思えてたのしい時間だった。

岡上分館のカフェコンサートに出たよ(動画もあるよ!)

10 月 11 日、土曜日。第 3 回岡上分館カフェコンサートというイベントに、Rubinetto として出演してきました。会場は岡上分館、体育室です。

演奏のようすをまるっと YouTube にアップロードしたので、せっかくだしそれぞれ説明をいれつつ全曲を紹介してしまうことにします。

演奏した曲

おすすめ順に紹介したいので、まずは三曲目に演奏した『さんぽみち』から。

メンバのひとりである Haracem のオリジナル曲。もともとはアコースティックギターソロ用の曲で、Rubinetto の編成に合わせて編曲してくれたのがこれです。

さんぽをするときのいつもとちょっとだけ違うとくべつな期待感とか冒険心とか、そんな空気にあふれていて、さんぽってたのしいよねって思える、よい曲です。弾いているとテンションがばくはつします。

編曲によって中間部のソロとか転調とかいろいろな要素が加わって、原曲からひとまわりもふたまわりも物語性というか表情がゆたかになった印象です。たのしいです。

次は、最後に演奏した、押尾コータローさんの『翼 ~you are the HERO~』。

押尾コータローさんを知るひとであれば誰もが弾いてみたくなるであろう名曲。これも Haracem の編曲で、原曲を知っているとよい意味でいろいろと裏切られる展開、たのしいです。

残りの二曲は、Rubinetto が結成して最初に練習に取り組んだ曲です。葉加瀬太郎さんの『Born to Smile』と、ソノダバンドさんの『道草のススメ』。

どちらもメンバがいちばん弾きなれている曲で、Rubinetto として最初にひとまえで演奏したとき の曲目もこの二曲でした。

そんな四曲。

いまのところ、この四曲が Rubinetto の持ち曲のすべてです。

岡上分館というところ

小田急線の鶴川駅から徒歩圏にある、麻生市民館の分館です。

Rubinetto という団体ができて、練習場所をどこか借りようとなったときに、初めて存在を知りました。

白状すると最初にここを選んだ理由は “値段” だったのですが、いまではすっかり愛着がわいています。感覚は “母校” のそれに近いですね。

まわりには何も無くて、すぐ横に畑がひろがるようなふるぼけた地域ですが、人工的な騒音のないのんびりとした空気のなか、雨の日は水の音、晴れの日は鳥の声、夕方は虫の音にかこまれてゆったりと練習できるのも、今ではなかなか貴重な気もします。いつかここで、動画を撮りたい。

『道草のススメ』とか『さんぽみち』を演奏している最中に、ふと外の鳥や蝉の声に耳を向けて、ああ、いいなあと、そう思えるのも、岡上分館のよいところだと思っています。

カフェコンサートというイベント

主催は岡上分館ですが、『平成 26 年度麻生市民館岡上分館市民エンパワーメント研修 みんなでつくるカフェコンサート』というプログラムのもとに集まったみなさまで運営されている…… ようです。コンサートの企画や運営を、実際に『カフェコンサート』をつくることを通じて学ぶ、ようなものだと思います。

そういう背景なので、いつぞやの練習後にスタッフさんからカフェコンサートの存在を知らされて、出演しないかと声を掛けていただいたことがきっかけで今回のこのような演奏な場が実現したわけですが、ほんとうにありがたい限りです。

こういう手作りの演奏会、ぼくはとてもだいすきで。

下はちびっこから上はぼくの父よりも上と思われる方々まで、はばひろい層の方々が、朝からたのしそうに会場を設営したり飾り付けをしたりしている様子をみていると、音楽の理想的なかたちってこういうのかもしれないなあと、なんていうか、しあわせな気分になります。

出演は Rubinetto をふくめてぜんぶで五団体で、Rubinetto 以外のみなさまも岡上分館を練習場所に活動しているようでした。

個人的なことをいえば、高校時代の部活の同期のお母さまやら多摩高校合唱部の OB さんたちやら、いろいろとつながりのある方々が他団体として出演しておられたことも、このコンサートをすきになった理由のひとつです。

Rubinetto という団体

レパートリィがようやく四曲になって、なんとか 20 分の枠ならもたせられるようにはなってきました。さらに持ち曲を増やすべく、これから新曲にも取り組むつもりです。単独の演奏会の開催を目指しています。

ギター部を卒業したみなさま、部活時代とは少し違った、こういうカジュアルなギターを楽しみたいみなさま、ぜひいっしょに弾きましょう。

うれしいことに、このコンサートがきっかけで、すでにひとり、某中学校ギター部の OB さんが新規加入の意思を表明してくれています。

まずは見学にどうぞ。うまいへたなんて、どうでもよいことです。たのしいことは正義なのです。

つぎの練習は 10 月 26 日の日曜日、朝 9 時から、場所はこの岡上分館 です。興味があるかた、ついった でも メール でもご連絡ください。

さいごに

岡上分館のみなさま、運営スタッフのみなさま、共演した他団体のみなさま、そして雑な呼びかけにも関わらずご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

ギター部 OB のみなさま、見学のご連絡お待ちしています 😛

ちょーたのしかったです 🙂 また出たいので、またぜひ!