イマジン・ドラゴンズのライブで、ドラムサウンドに圧倒されてきた

前のエントリ で書いたブリトニー・スピアーズさんのライブの翌日、5 月 7 日、引き続きラスベガスの Sands Expo & Convention Center 内のホールにて。イマジン・ドラゴンズという方々の、某イベント参加者のための特別な、特に名前のない(たぶん……)ライブに行ってきた。

見えにくいけどドラムだらけ

この方々、来日もしたことがあるようで、どうやら有名らしいのだけれど、イベントの告知を受け取るまで知らなかった……。ぐぐる以上の予習することもなく、行ってよい立場にあったから行ったという、正しいファンの方々から殺されそうなモチベーション。でも行ったら圧倒された。ちょうたのしかった。行ってよかった。

会場の都合上、大がかりな舞台装置は無し。ささやかながらスクリーンと照明はあるものの、基本的にはストレートに “音” で勝負せざるを得ない場。そんな場でもものすごく圧倒的で魅力的なパフォーマンスが繰り広げられて、さすがプロだなーというかさすがロックだなーというか、そんなことを考えながらおなかにずんどこ響きまくる驚異的な音圧を感じていた。

狭くみえるけどちょう広い

盛り上げ方とか流れとか、U2 を彷彿とさせる曲が多くて、系統は似ているのかなあとは思った。でも打楽器の使い方がぜんぜん違って、ステージ上に並んでいるのは、ふつうのドラムセットのほかに、背丈ほどもある大きな和太鼓、小さい和太鼓、バスドラム、追加のフロアタム。ヴォーカルの方は片手にマイク、片手にマレット、ときにスティック、あるいは両手にマレット。

このたくさんの打楽器から繰り広げられる、攻めまくるほどに攻めまくるドラムサウンドがほんとうに気持ちよくて、なぜああも破綻させずにあそこまで圧をかけられるのか不思議だった。鼓膜の限界なんて気にしたくなかった。暴力的な音にもみくちゃにされることが心地よかった。

とりあえず CD をぽちったのだけれど、やっぱり CD には “現実的な音” しか入っていない。あの場で繰り広げられたような限界を無視した音はやっぱりライブでしか聴けない。次にこの方々が日本に来たら、だから今度は自主的に行きたいと、そう思えてうれしかった。

ブリトニー・スピアーズさんの定期公演、Peace of Me に行ってきた

だいぶ前の話になるけど、5 月 6 日、火曜日のこと。ブリトニー・スピアーズさんの定期公演、Peace of Me に行ってきた。

会場はラスベガスの The Axis。Planet Hollywood というホテルの中にあるホール。もともとキャパシティが 7,000 くらいのすごく大きいところだったらしいんだけど、全部で 80 回くらい行われるこの定期公演のため(!)に 360 度の映像投影ができる環境がつくられて、その影響で席が 4,600 まで減ったとのこと。それでも 4,600 てすごいよね。

初めて知ったんだけど、世の中には “Residency Show” という公演形態があるようで、これは一定の期間内に同じ題目で同じ場所で公演を何回も開くものらしい。期間が決まってて同じ題目で何回も開催という意味では、いわゆる “ツアー” ととても似ているけれど、会場が全部同じ、というところがツアーとは違う、みたいなやつ。

この演出かっこうよかった!

正直なところこの公演は『連れて行かれた』というのが事実で、そもそも行くこと自体を当日まで──正確にいえば開演の数時間前まで──知らされていなかったし、そしてぼくはブリトニーさんのことをあまりにも知らない。

とはいえ音楽系のイベントならだいたいは楽しめるので、今から行くよといわれた瞬間にはうれしかったことを覚えている。

実際、派手な舞台装置と派手な映像と派手な衣装がうまいこと組み合わさってて視界全体でたのしめたり、バックダンサのキレがすてきでかっこうよかったり、ホールが “Powered by MONSTER” なだけあってちょうよい大爆音だったり、いろいろおもしろかった。

見慣れたロゴ

最近は大規模な映像投影も当たり前になってきたみたいで、物理的な舞台装置の圧倒的な現実感と迫力を、作り込まれた映像の抽象感が思いっきり引き上げてる感があった。そこにそれ専用の衣装をきた方々のダンスが加わって、そうやって世界がうまいこと作られていた。そして曲ごとにまるっきり世界は変わる。

舞台装置には舞台装置にしかできないことがあるし、映像表現には映像表現にしかできないことがあるし、身体表現には身体表現にしかできないことがある。制作コストと演出効果の関係とか予算の経年変化とかにも考えが及びかけたけど、何にせよ『良いとこ取り』できていた感があって。

最近とんとポピュラ音楽のライブには行かなくなっていたので、ひさしぶりの感覚だった。たのしかった。

調べると『口パク公演』とか言われているらしいけれど、この手のライブでそれを言っても誰も得しないよなあと。演奏会ではなくて “公演” なわけで、音楽だけでなくて演出含めてできあがっているものなわけで、ある意味で『総合芸術』的なものなわけで。売り物は音楽ではなく場であり空気であり体験そのものなので、そんな感じで味わえればよいと思った。

全身にずんどこひびく爆音は大好物なので、こういう音もたまには浴びに行きたい。